決算発表シーズン到来!上方修正期待銘柄10選

投資情報部 鈴木英之
2026/01/23

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
日本株投資戦略
※YouTubeに遷移します。
決算発表シーズン到来!上方修正期待銘柄10選
足元の東京株式市場はやや荒れ気味の展開になっています。理由は主に4点ほど挙げられます。
(1)昨年末終値から1月14日の史上最高値(終値ベース)まで、日経平均株価が短期間に7.9%上昇した反動
(2)「台湾有事」をめぐる日中対立により、中国が日本向けレアアースの輸出を制限している可能性
(3)トランプ米大統領がグリーンランドの領有を主張し、欧州との間で不協和音が生じていること
(4)与野党が「食品の消費税ゼロ」(高市政権は2年間限定)を公約に掲げ、財政不安から長期金利が上昇していること
(1)については、1月21日の日経平均株価が一時、おおむね年初来上昇分の半値押し程度まで下げ、調整が進みつつあります。
(4)については、食品スーパーなどにとっては追い風になる面があります。
(2)と(3)については地政学的リスクであり、克服には時間を要するとみられます。当面は、懸念が深まったり後退したりという展開をたどりつつ、織り込みが進むと予想されます。
こうした中、1月21日に半導体製造装置大手であるディスコ(6146)の決算発表が行われました。3月決算銘柄の中で、時価総額1兆円超の主力企業としては同社が口火を切った形です。今後、3月決算銘柄の第3四半期を中心に、決算発表シーズンが2月中旬まで続くことになります。市場参加者の関心も、今後は次第に「マクロ」から「ミクロ」へと移り、企業の業績変動が株価変動の「主役」になると想定されます。
今回の「日本株投資戦略」では、3月決算銘柄を分析対象とし、2026年3月期第3四半期で好決算を発表する、あるいは2026年3月期通期の会社計画を上方修正すると期待される銘柄を抽出するべく、以下のスクリーニングを行いました。
・東証プライム市場上場
・時価総額1,000億円以上
・3月決算銘柄
・予想EPS(1株利益)を公表しているアナリストが3名以上
・過去4週間で市場予想(Bloombergコンセンサス)EPSが上昇
・2026年3月期第3四半期(2025年10~12月期)の市場予想純利益が10%以上の増益
・2026年3月期通期の会社予想純利益が増益予想
・2026年3月期通期の市場予想純利益が会社予想を上回る
・2027年3月期通期の市場予想純利益が2026年3月期市場予想純利益に対して10%以上の増益
・信用規制・注意喚起銘柄を除外
図表の銘柄は、上記の条件をすべて満たしています。
掲載はコード番号順です。
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【銘柄一覧】決算発表シーズン到来!上方修正期待銘柄10選
| 取引 | チャート | ポートフォリオ | コード | 銘柄名 | 株価 (1/21・円) |
決算発表予定日 | 2026年3月期 市場予想純増益率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4062 | 4062 | 4062 | 4062 | イビデン | 8,317 | 2月3日 | 27.4% |
| 4373 | 4373 | 4373 | 4373 | シンプレクス・ホールディングス | 944 | 1月29日 | 27.4% |
| 5016 | 5016 | 5016 | 5016 | JX金属 | 2,653 | 2月10日 | 37.6% |
| 6501 | 6501 | 6501 | 6501 | 日立製作所 | 5,181 | 1月29日 | 32.0% |
| 6857 | 6857 | 6857 | 6857 | アドバンテスト | 21,770 | 1月28日 | 77.3% |
| 6954 | 6954 | 6954 | 6954 | ファナック | 6,541 | 1月26日 | 11.6% |
| 8282 | 8282 | 8282 | 8282 | ケーズホールディングス | 1,623 | 2月6日 | 30.5% |
| 8304 | 8304 | 8304 | 8304 | あおぞら銀行 | 2,513 | 2月4日 | 14.5% |
| 8308 | 8308 | 8308 | 8308 | りそなホールディングス | 1,728.5 | 1月30日 | 20.2% |
| 8331 | 8331 | 8331 | 8331 | 千葉銀行 | 1,968 | 2月2日 | 18.5% |
- ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。市場予想はBloombergコンセンサス
一部掲載銘柄を解説!
■イビデン(4062)〜AI半導体の技術革新を支える「ICパッケージ基板」大手、エヌビディアやAMDにも取引が拡大
主力事業は売上構成比53.4%の「電子」事業で、営業利益構成比も56.3%と稼ぎ頭です。モバイルPCやサーバー向けのICパッケージ基板を製造しています。ICパッケージ基板は半導体チップを保護し、マザーボードやプリント配線板と接続するための電気信号回路を持つ基板です。その他には自動車向けが中心の「セラミック」(22.8%)、「その他」(23.8%)があります。
従来はインテル向け比率が高く2024年3月期は売上高の30.9%を占めていましたが、2025年3月期はインテル20.8%、エヌビディア20.3%、AMD11.0%と、AIサーバー向けが急拡大しています。特にエヌビディア向けICパッケージ基板は同社の事実上の独占供給とみられます。
10月30日の2026年3月期第2四半期決算は売上高1,954億円(前期比7.7%増)、営業利益325億円(同14.2%増)と好調。「電子」事業が大幅増収増益となり、AIサーバー向けが牽引しました。ICパッケージ基板のAIサーバー向けシェアは70%〜80%に達しています(会社説明資料)。さらにASIC向け受注機会の拡大意向も示され、ネットワークASICに強い企業との取引も進展しているようです。顧客基盤の多様化が進んでいます。
好調な業績を受け、2026年3月期の売上高予想は4,150億円→4,200億円(前期比13.7%増)、営業利益は550億円→610億円(同28.1%増)へと上方修正されました。利益率向上も確認され、AI半導体関連需要の恩恵を強く受ける構造に変化しています。なお、1月15日、トヨタ自動車グループによる豊田自動織機(6201)へのTOBに応募すると発表しました。このため、2026年3月期に投資有価証券売却益441億円が発生する可能性があります。
■アドバンテスト(6857)~業績予想の上方修正と自社株買いを発表
半導体テスタのトップ企業です。テスタは半導体製造工程で複数回、製品に欠陥がないか否か検査を行う装置です。これまで、米テラダイン(TER)と市場のシェアを二分してきました。半導体テスタ市場の同社世界シェアは、2017年の36%から、2024年には58%と拡大傾向で、同社の存在感が増しています。
AI(人工知能)向け半導体のテスタ市場では圧倒的なシェアを有しています。AI半導体最大手であるエヌビディア(NVDA)は、GPUに台湾TSMCのパッケージ技術を採用していますが、同技術の半導体テスタ市場ではシェア8割と推測されています。
昨年10月28日に発表された2026年3月期第2四半期(2025年4月~9月)決算では、純利益が1,698億円(同144%増)と好調持続。第2四半期の上振れを背景に、2026年3月期通期の純利益は2,215億円→2,750億円(前期比70.6%増)に上方修正されました。
AI向け半導体は複雑かつ高価であり、歩留まりや信頼性をあげるために、多くのテストが行われるようになっています。複数機能を1つのチップに集約したSoC(システム・オン・チップ)向けが、半導体の複雑化を背景に旺盛な需要が見込まれます。
HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)・AI向け半導体の数量増加・複雑化を受け、半導体テスト需要は当初予想を上回って推移しています。地政学的リスクや為替リスクは残るとみられますが、会社側は不透明感は後退したとみています。2027年3月期に終わる中計期間中の事業環境は良好に推移すると会社側ではみています。
決算発表とともに、自社株買い計画を発表しました。
・取得可能株数 1,800万株(発行済株数の2.5%)→2025年12月末までの進捗率は6.53%
・取得価額上限 1,500億円→同15.63%
・取得予定期間 2025年11月から1年間
株価はAI・半導体関連株の調整を受けて調整中ですが、AI半導体市場の技術革新はテスト需要をさらに高めるとみられ、当面は高い成長率が継続しそうです。
■日立製作所(6501)~事業構造改革を継続しつつ、日本の技術革新をリード
日本を代表する巨大企業グループで、技術革新をけん引するリーディングカンパニー的存在です。主な事業(コア事業)は以下の通りです。(カッコ内は2025年3月期売上収益構成比、利益構成比※)
(1)デジタルシステム&サービス(27%、36%)
システムインテグレーション、クラウドサービス、ITプロダクツ他
(2)エナジー(25%、23%)
エネルギーソリューション
(3)モビリティ(11%、9%)
鉄道システム
(4)コネクティブインダストリーズ(32%、31%)
ビルシステム、計測分析システム、インダストリアル・プロダクツ、水・環境
※ここでの「利益」は、「Adjusted EBITA」で、調整後営業利益(一般的な営業利益に近い)に無形資産等の償却費、持ち分法投資損益を足した数値になります。また、全部門横断的に展開し、社会やビジネスが生み出すデータから新しい価値を創造し、イノベーションを加速するエンジンとして「LUMADA事業」(AIツール等を含む)を展開しています。
※調整後営業利益は日立製作所が営業利益に代わる経営指標として公表しています。売上収益から売上原価、販管費を差し引いた数値として説明されており、一般的な営業利益と差は少ないと考えられます。
2026年3月期の業績はこれまでのところ、順調に推移しています。昨年10月30日発表の2026年3月期第2四半期(2025年4月~9月)決算では、売上収益が前年同期比5.3%増、調整後営業利益が同25.5%増、「Adjusted EBITA」が同21.5%増となりました。この決算発表と同時に会社側は2026年3月期の業績見通しを上方修正し、売上収益10兆1,000億円→10兆3,000億円(前期比5.3%増)、「Adjusted EBITA」1兆1,100億円→1兆2,100億円(同11.7%増)としています。
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