アメリカNOW! ~今週の注目決算:テキサスインスツルメンツ、シーゲート、アンフェノールほか~

投資情報部 榮 聡
2026/01/26
先週の米国株式市場は、米国のグリーンランド買収に反対する欧州諸国に10%の追加関税を課すとして1/20(火)に急落、その後トランプ大統領が追加関税は撤回するとして反発に転じましたが、週間ではマイナスとなりました。今週の株価材料として、10-12月期決算発表、FOMC(連邦公開市場委員会)、12月生産者物価指数が注目されます。
今回は今週決算発表を行う企業から筆者が注目している銘柄として、テキサス インスツルメンツ(TXN)、シーゲイト テクノロジー(STX)、アンフェノール A(APH)、マイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)を選んでご紹介いたします。
図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)
トランプ大統領による対欧州追加関税の脅しで1/20(火)に深押ししたものの「雲」の上限で支持され、関税撤回の発言を受けて1/20(火)の下落幅の約8割を戻しました。
※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率(「5日」は1/15(木)終値~1/23(金)終値によります。)
| S&P500業種指数騰落 | 5日 | 1ヵ月 | 3ヵ月 |
| エネルギー | 3.3% | 11.4% | 12.2% |
| 素材 | 2.1% | 8.0% | 12.3% |
| 生活必需品 | 0.9% | 6.0% | 4.7% |
| 一般消費財・サービス | 0.5% | 1.0% | 4.1% |
| コミュニケーションサービス | 0.3% | 1.2% | 7.4% |
| ヘルスケア | 0.2% | 0.8% | 7.8% |
| S&P500 | -0.4% | -0.2% | 1.8% |
| 情報技術 | -0.7% | -2.9% | -3.1% |
| 資本財・サービス | -1.0% | 4.4% | 6.0% |
| 不動産 | -1.2% | 1.4% | -2.9% |
| 金融 | -2.4% | -4.8% | -0.2% |
| 公益事業 | -2.5% | -0.6% | -6.8% |
| 騰落率上位(5日) | 騰落率 |
| アドバンスト・マイクロ・デバイセズ | 13.9% |
| ギリアド・サイエンシズ | 12.1% |
| メタ・プラットフォームズ | 6.1% |
| ユナイテッドヘルス・グループ | 5.1% |
| スターバックス | 4.7% |
| 騰落率下位(5日) | 騰落率 |
| アボットラボラトリーズ | -13.0% |
| キャピタル・ワン・ファイナンシャル | -8.3% |
| ゼネラル・エレクトリック | -8.1% |
| インテル | -6.7% |
| ブロードコム | -6.7% |
注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
先週の米国株式市場
S&P500指数は週間で0.4%、ダウ平均は0.5%、ナスダック指数は0.1%の下落でした。
1/17(土)にトランプ大統領がグリーンランド買収に反対する欧州8ヵ国に10%の追加関税を課すとして、1/20(火)のS&P500指数は2.1%の大幅な下落となりました。一方、ダボス会議に出席したトランプ大統領は、講演でグリーンランド問題に関する武力行使の選択肢を否定、追加関税も撤回したことから、反発に転じました。
グリーンランド問題とは別に、日本で食品の消費税減税の可能性が注目されて日本の長期金利が急速に上昇、欧米の債券市場に波及して懸念される場面もありました。ベッセント財務長官と片山財務大臣が会話したとの報道で、日本当局の対応が期待されて落ち着きを取り戻しました。
企業決算への反応は冴えませんでした。先週は事業会社の決算発表が本格化しましたが、ネットフリックス、GEエアロスペース、インテルなど市場で注目を集めている銘柄は、いずれも決算発表を受けて株価下落となりました。
業種指数では、原油価格が堅調となった「エネルギー」や金価格の最高値更新が続いて「素材」が上昇しました。個別銘柄で上昇トップのアドバンストマイクロ デバイシズ(AMD)は、暗号資産マイナーのライオット プラットフォームズ(RIOT)と大型契約を締結したことが好感されているとみられます。
今週の米国株式市場
米国によるグリーンランドの買収問題に絡んで急落しましたが、関税撤回を受けてかなりの程度戻しました。ただ、グリーンランドの扱いに関しては米国と欧州当局の交渉が続いており、市場には警戒が残っているようです。
株式市場には高値警戒があり、上値を追うかどうかは10-12月期決算次第とみられます。そのような環境の中で、先々週の大手銀行、先週の注目企業群はやや低調な印象となっています。このようなネガティブな流れを断ち切れるか、今週の決算発表が注目されます。
今週の株価材料として、10-12月期決算発表、FOMC(連邦公開市場委員会)、12月生産者物価指数が注目されます。
10-12月期決算発表は、マグニフィセント7銘柄のうち、マイクロソフト、テスラ、アップル、メタプラットフォームズの4銘柄が発表予定です。そのほか、IBM、テキサスインスツルメンツ、シーゲイトテクノロジー、キャタピラー、ロッキードマーチン、シェブロン、アメリカンエキスプレスなども発表予定です。
S&P500指数採用企業の10-12月期EPSは前年同期比8.2%増の予想(既発表企業の実績と未発表企業の予想の混合ベース)で、先々週末と変わりませんでした。通常は発表が進むごとに増益率が上方修正されることが多いことを考えると、いまのところやや低調な印象です。
FOMCは、FedWatch(CMEが提供する政策金利の予想)によると据え置き確率が95%で、据え置きが確実とみられます。次の利下げ時期は6月の予想ですが、今回結果を受けてこのタイミングが変動するかが注目点となりそうです。また、トランプ政権からの圧力に対抗姿勢を見せているパウエルFRB議長がFRBの独立性について発言するかも注目されます。
12月の生産者物価指数は、総合指数が前年比+2.8%の予想(前月は同+3.0%)、コア指数は前年比+2.9%の予想(前月は同+3.0%)です。予想に沿った数字が出てくると、次の利下げ時期の市場期待が前倒しされ、株式にポジティブな影響が期待できるでしょう。
経済指標では上記のほか、1/26(月)に米国の11月耐久財受注(前月比+3.8%の予想)、1/27(火)に米国の1月コンファレンスボード消費者信頼感(前月の89.1から90.6に改善の予想)、1/29(木)に米国の11月製造業受注(前月比+1.6%の予想)、1/30(金)に中国の1月製造業・非製造業PMI(製造業は前月の50.1から50.2に改善の予想、非製造業は前月の50.2から50.8に改善の予想)、ユーロ圏の10-12月期実質GDP(前年比+1.3%の予想)、などの発表が予定されています。
今週の5銘柄
今回は今週に決算発表を予定している銘柄で、筆者が注目している銘柄からテキサス インスツルメンツ(TXN)、シーゲイト テクノロジー(STX)、アンフェノール A(APH)、マグニフィセント7銘柄からマイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)を選んでご紹介いたします。
筆者の注目銘柄は、以下のレポートで取り上げています。
2026年1月19日掲載のアメリカNOW!「テキサスインスツルメンツなど株価出遅れのアナログ半導体に注目」
2025年11月26日掲載の外国株投資戦略「AIデータセンター拡大はストレージにも波及、枯れた技術で恩恵は大きく長く!?」
2025年8月6日掲載の外国株投資戦略「AI投資の恩恵を受けるコネクタのアンフェノールとTEコネクティビティ」
図表3 今週の5銘柄の投資指標
注:予想PERは今期予想EPSに基づいて計算しています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
今週の注目銘柄
| 取引 | チャート | 銘柄 | 株価 (1/23) |
予想PER (倍) |
ポイント |
| 買付 | テキサス インスツルメンツ(TXN) | 193.31ドル | 31.0 | 【アナログ半導体の最大手】 ・1月5日にマイクロチップテクノロジーが10-12月期売上を上方修正して、「コロナ禍の期間に積み上がった半導体の過剰在庫を顧客が消化し終えたことから回復局面を迎えている」とコメントしました。アナログ半導体業界に共通した動きとなっている可能性があるため注目されます。 ・10-12月期決算は、売上が前年同期比11%増、EPSは同5%増の予想です。 10-12月期決算は1/27(火)引け後に発表予定です。 | |
| 買付 | シーゲイト テクノロジー(STX) | 346.10ドル | 29.4 | 【HDD大手】 ・ウエスタンデジタルと並ぶHDDの大手です。データセンターの拡大で「確定受注生産」が通るほど需給が非常にタイトになっています。HDDメーカーは世界的にも限られているため、大手への恩恵は大きく、かつ、長くなると期待できます。 ・10-12月期決算は、売上が前年同期比18%増、EPSは同57%増の予想です。 10-12月期決算は1/27(火)引け後に発表予定です。 | |
| 買付 | アンフェノール A(APH) | 150.99ドル | 35.0 | 【コネクタ大手】 ・データセンターの拡大でコネクタの需要が好調。光コネクタなど付加価値の高い部品がけん引しています。同社は情報通信分野向けの売上構成比が高いことから大きな恩恵を受けています。コネクタは顧客毎に微妙に仕様が異なるため(カスタム性が強い)、市場シェアが安定しており、恩恵が長く続きやすいと言えます。 ・10-12月期決算は、売上が前年同期比44%増、EPSは同57%増の予想です。 10-12月期決算は1/28(水)引け後に発表予定です。 | |
| 買付 | マイクロソフト(MSFT) | 465.95ドル | 29.1 | 【ソフトウェア株売りを変えられるか注目】 ・ ソフトウェア株全般が売られる流れの中で同社の株価も冴えない動きが続いています。決算は好調とみられますが、株価下落の流れを止められるか注目です。 ・10-12月期決算は、売上が前年同期比15%増、EPSは同21%増の予想です。10-12月期決算は、1/28(水)引け後に発表予定です。 | |
| 買付 | アップル(AAPL) | 248.04ドル | 30.1 | 【新型iPhone販売堅調】 ・サービス収入の伸びとiPhone17の販売堅調によって、増収モメンタムは改善しつつあるとみられます。バーチャルアシスタント「Siri」にグーグルの技術を採用する観測など、AI戦略の行方が注目されています。 ・新型iPhoneの販売が堅調で、10-12月期決算は11%の増収増益が見込まれています。10-12月期決算は、1/29(木)引け後に発表予定です。 |
注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、シーゲイトテクノロジー、マイクロソフトは2026年6月期、アップルは2026年9月期、その他は2026年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
主要イベントの予定
| 経済指標・イベント | 企業決算・イベント | |
| 26(月) | ・米耐久財受注(11月) ・米2年債入札 |
|
| 27(火) | ・米ADP週次雇用統計(1月10日に終わる過去4週) ・S&PコタリティCS住宅価格指数(11月) ・米コンファレンスボード消費者信頼感指数(1月) ・米5年債入札 |
ユナイテッドヘルス、ボーイング、UPS シーゲイトテクノロジー、テキサスインスツルメンツ |
| 28(水) | ・FOMC政策金利 | マイクロソフト、テスラ、AT&T メタプラットフォームズ、IBM アンフェノール、GEベルノバ、ラムリサーチ |
| 29(木) | ・米新規失業保険申請件数(1月24日に終わる週) ・米貿易統計(11月) ・米製造業受注(11月) ・日本鉱工業生産(12月) ・米7年国債入札 |
アップル、ビザ、アルトリアグループ キャタピラー、ロッキードマーチン、マスターカード |
| 30(金) | ・中国製造業・非製造業PMI(1月) ・ユーロ圏実質GDP(10-12月期、速報値) ・米生産者物価指数(12月) |
ソーファイテクノロジーズ、ベライゾンコミュニケーションズ エクソンモービル、シェブロン、アメリカンエキスプレス |
| 2月 2(月) |
・米ISM製造業景気指数(1月) ・アトランタ連銀ボスティック総裁の講演 |
パランティアテクノロジーズ、ウォルトディズニー |
| 3(火) | ・米求人労働異動調査(12月) ・ワーズ米自動車販売台数(1月) |
アドバンストマイクロデバイセズ、ファイザー エマソンエレクトリック、ペプシコ |
| 4(水) | ・米ADP雇用統計(1月) ・米ISM非製造業景気指数(1月) |
アルファベット、アームホールディングス、アッヴィ イーライリリィ、ウーバーテクノロジーズ |
| 5(木) | ・米チャレンジャー人員削減(1月) ・米新規失業保険申請件数(1月31日に終わる週) |
アマゾンドットコム、モノリシックパワーシステムズ マイクロチップテクノロジー |
| 6(金) | ・米雇用統計(1月) ・米ミシガン大学消費者信頼感(2月、速報値) ・米消費者信用残高(12月) |
フィリップモリスインターナショナル |
注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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