相場反転の見分け方は~「反発」を示唆するシグナルが点灯?

投資情報部 鈴木英之 植田雄也
2026/04/07
地政学リスクと需給要因が交錯、方向感に欠ける展開
■ 4月第1週(3/30-4/3)の株式市場動向
日経平均株価の4/3(金)終値は53,123円49銭で、前週末比249円58銭安(-0.47%)と週足ベースで続落となりました。週前半は、中東情勢の緊迫化と権利落ちに伴う需給悪化で軟調に推移しました。4/1(水)はイラン問題への警戒感の後退を受けて反発したものの、その後は中東情勢を巡る不透明感から不安定な展開となりました。週末は米株高と地政学リスク後退観測を受けて買いが戻り、AI関連などのテーマ株が相場を支えました。
■ 騰落率の傾向(3/27-4/3)(図表4・5)
・上昇率上位:古河電気工業(5801)が上昇率トップ。4/3に年初来高値を更新し、2025年終値から3.57倍となりました。AIデータセンター向け光ファイバー需要の本格拡大を背景に買われています。特に、超多心光ファイバケーブルの量産開始と生産能力増強が材料視され、GPUだけでなく通信インフラ(光)にもAI投資が波及していることを示唆しています。
・下落率上位:ネクソン(3659)やソフトバンクグループ(9984)などのグロース株が下落を主導しました。中東情勢の緊迫化による原油高を背景に世界景気減速懸念が強まり、米ハイテク株安とともにリスク資産の圧縮が進みました。
ネクソン(3659)は3/31(火)発表の説明会で、2027年度の収益計画は達成困難と示唆し、説明会後の4/1(水)・4/2(木)は失望売りに押されました。
■ 4月第2週のスタート(4/6)
日経平均株価の4/6(月)終値は53,413円68銭で、前週末比290円19銭高(0.54%)と上昇しました。トランプ米大統領は、ホルムズ海峡の通航再開を求める期限を東部時間7日午後8時まで延ばし、イランが応じない場合には民間インフラへの追加攻撃も辞さない構えを示しています。一方、イランはパキスタン経由で停戦案を拒否する意向を米国に伝えており、事態の長期化が懸念されます。
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図表1 日経平均株価の値動きとその背景
図表2 日経平均株価
図表3 日米欧中央銀行会議の結果発表予定
図表4 日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(3/27-4/3)
図表5 日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(3/27-4/3)
相場反転の見分け方は~「反発」を示唆するシグナルが点灯?
株価が急騰・急落した時、高値づかみや、安値での投げ売りをしてしまい、大きな損失を被ってしまうことがあります。相場の急変時には冷静になることが重要ですが、心理的に余裕がなくなり、実際には困難なことが多いようです。そこで有効なのがテクニカル分析の活用です。
相場の「行き過ぎ」を判断する方法として以下の3つのテクニカル分析をご紹介します。
(1)日経平均株価が25日移動平均線からマイナス7.5%(あくまでも目安)乖離したら「売られ過ぎ」、逆にプラス7.5%超乖離したら「買われ過ぎ」
(2)RSIが30%以下に下がったら「売られ過ぎ」で、逆に70%以上に上がったら「買われ過ぎ」
(3)安値圏でRSIが上がり、逆に株価が下落する「逆行現象」が出たら相場は反発の可能性、逆ならば反落の可能性
いま、図表6を参考に、下落局面を中心に過去5年の日経平均株価を検証すると、株価が青い線の「25日移動平均線マイナス7.5%」を超えて下がると株価は反発する傾向があります。無論、即座に反発せず、マイナス乖離率がさらに拡大することもあります。しかし、ここで重要なのは、「25日移動平均線マイナス7.5%」のタイミングで買い付け、株価がさらに下がっても、近い将来株価が買い付けた水準に戻ってくるケースが多いということです。図表6のように、「コロナ危機」や「日銀利上げ後の急落」、「トランプ関税での急落」でも、「25日移動平均線マイナス7.5%」は重要な目安になりました。
本年3月の株価下落では日経平均株価が3/23(月)に51,515円(前週末比1,857円安)まで下落した際、25日移動平均線に対しマイナス7.52%乖離しました。その後も上下し、3/23が終値ベースでの安値にはなっていませんが、株価はおおむね底打ちの様相を呈しています。
なお、SBI証券チャートツールにおいて「エンベロープ」を指定すると、図表7のように、25日移動平均線からの乖離率をグラフとして見られます。25日移動平均±7.5%が相場の転機になっていることが多くなっていることがご理解いただけると思います。
なお、図表7にはRSI(相対力指数)も表示しています。RSIは以下の算式で求められます。
RSI(9日)=日経平均株価の9日間の上昇した日の上昇幅合計/日経平均株価の9日間の騰落幅絶対値の合計
図表7から分かるように、RSIがおおむね30%、もしくはそれ以下に下がると相場は反発する傾向があります。なお、図表7では、株価のトレンドは下向きであるものの、RSIは逆に上昇傾向です。安値圏でこの「逆行現象」が出現すると相場は反発に転じやすいとされます。
テクニカル分析では、ひとつの方法に限定せず、複数の指標を使って分析すると良いでしょう。下落相場で多くの指標が「売られ過ぎ」を示唆した場合、相場がボトムをうっている可能性は大きいといえます。
図表6 日経平均株価の25日移動平均乖離率が株価の反転を示唆?
図表7 SBIチャートツール「エンベロープ」とRSI(9日)
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信用取引の「二階建て」に関するご注意
委託保証金として差し入れられている代用有価証券と同一銘柄の信用買建を行うことを「二階建て」と呼びます。当該銘柄の株価が下落しますと信用建玉の評価損と代用有価証券の評価額の減少が同時に発生し、急激に委託保証金率が低下します。また、このような状況下でお客さま自らの担保処分による売却や、場合によっては「追加保証金」の未入金によって強制決済による売却が行われるような事態になりますと、当該株式の価格下落に拍車をかけ、思わぬ損失を被ることも考えられます。よって、二階建てのお取引については、十分ご注意ください。
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・ 日経平均VI先物取引は、一般的な先物取引のリスクに加え、以下のような日経平均VIの変動の特性上、日経平均VI先物取引の売方には特有のリスクが存在し、その損失は株価指数先物取引と比較して非常に大きくなる可能性があります。資産・経験が十分でないお客さまが日経平均VI先物取引を行う際には、売建てを避けてください。
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