「サナエノミクス相場」にまだ間に合う!?好決算期待の8銘柄

投資情報部 栗本奈緒実 鈴木英之
2025/10/10

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
日本株投資戦略
※YouTubeに遷移します。
「サナエノミクス相場」にまだ間に合う!?好決算期待の8銘柄
高市自民党新総裁が掲げる積極財政策、いわゆる「サナエノミクス」効果を織り込み、各証券会社は2025年末や2026年末における日経平均株価予想を続々と引き上げています。
もっとも日本株高の背景には、企業業績見通しの上向きもあります。
企業の業績見通しは、当初、トランプ関税政策による影響を織り込み保守的な数値を発表する企業も多数見受けられました。
その後、関税交渉の進展期待が広がったことで、当初の業績見通しを上昇修正する企業も出始めています。10/9(木)、日経平均株価の予想1株利益(EPS)は、2,576.36円と過去最高です。
10月下旬からは、いよいよ2025年7-9月期の決算発表シーズンを迎えます。日本企業の決算期末が最も多い3月期決算企業の上期締めに当たります。半分を過ぎたことで、期末までの数値予想の確度が高まり、保守的に見ていた業績計画の上方修正に期待が広がっています。
そこで、今回の「日本株投資戦略」では、7-9月期決算発表時に上方修正期待の好業績銘柄を探してみました。
スクリーニング条件は以下の通りです。
・3月を決算期末とする企業
・会社予想の経常利益で赤字予想がある銘柄は除外
・期初から通期売上高と経常利益の上方修正をしていない
・直近の四半期決算発表以降、売上高・経常利益を下方修正した企業は除く
・東証業種は銀行、証券・商品先物、その他金融は除く
・売上高進捗率:直近累計>直近5期平均
・経常利益進捗率:直近累計が直近5期平均より10%pt以上上振れ
・売上高と経常利益の市場予想社数(Quickコンセンサス、以下市場予想同)が2社以上
・通期市場予想の今期売上高>会社予想
・通期市場予想の今期経常利益が会社予想より10%以上上振れ
・7-9月期の決算を10/14(火)以降に発表予定
・取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く
図表の銘柄は上記の条件をすべて満たしています。掲載は、市場予想経常利益の上振れ率(対会社予想)が大きい順です。
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気になる投資テーマ等がございましたら、こちらにご意見お待ちしております。
【銘柄一覧】「サナエノミクス相場」にまだ間に合う!?好決算期待の8銘柄
取引 | チャート | ポートフォリオ | コード | 銘柄名 | 終値(円) 【10/9】 |
市場予想経常利益の上振れ率 (対会社予想) |
決算発表 予定日 |
6779 | 6779 | 6779 | 6779 | 日本電波工業 | 1,078 | 52.4% | 11/11(火) |
6995 | 6995 | 6995 | 6995 | 東海理化電機製作所 | 2,654 | 44.8% | 10/30(木) |
6590 | 6590 | 6590 | 6590 | 芝浦メカトロニクス | 16,740 | 41.1% | 11/6(木) |
1786 | 1786 | 1786 | 1786 | オリエンタル白石 | 426 | 26.7% | 11/12(水) |
6472 | 6472 | 6472 | 6472 | NTN | 344 | 23.3% | 10/31(金) |
1980 | 1980 | 1980 | 1980 | ダイダン | 6,480 | 14.9% | 11/7(金) |
9533 | 9533 | 9533 | 9533 | 東邦瓦斯 | 4,501 | 12.6% | 10/28(火) |
6417 | 6417 | 6417 | 6417 | SANKYO | 2,648 | 10.1% | 11/6(木) |
- ※Quick Workstation Astra Manager、会社発表データをもとにSBI証券が作成。
一部掲載銘柄を解説!
オリエンタル白石 (1786)~橋梁などを手掛ける総合エンジニアリング企業。国土強靭化・インフラ関連銘柄
★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■社会インフラの長寿命化・維持管理ニーズに応える総合エンジニアリング企業
2007年、橋梁に強い「旧オリエンタル建設」と、ダム・港湾・トンネルなどに強い「旧白石」が統合して誕生した総合エンジニアリング企業です。
設計・製造・施工をワンストップで提供。長大橋・高架などの専門工事から大型公共プロジェクトまで、社会インフラの長寿命化・維持管理ニーズにあらゆる面から対応する体制を構築しています。
■レインボーブリッジや高速道路など多数の実績
「プレストレストコンクリート(PC)」という技術を使った構造物の施工を得意としています。レインボーブリッジや全国の高速道路など多数の施工実績があります。
国土強靭化計画やインフラ老朽化対策など社会的課題の高まりを背景に、同社事業へのニーズが高まっています。官民問わず、近年投資金額は増加傾向です。
■伊藤忠が筆頭株主。「インフラ老朽化対策」など社会的課題によるニーズも
同社の筆頭株主は、インフラ運営に強みを持つ伊藤忠商事(8001)です(25.3期末時点)。新規事業では、ストック収益につながるインフラの「維持・運営」ビジネスに取り組んでおり、伊藤忠(8001)との提携スキームを活用し、国土交通省の実証プロジェクトに採択・参画しています。
先週の当コンテンツ「成長期待の割安プライム銘柄7選(10/3)」 で詳細解説をした西松建設 (1820)は、2025年から伊藤忠(8001)の持分法適用会社になりました。伊藤忠(8001)は、社会的課題を背景とした需要を取り込み、建設分野でのプレゼンス強化を目指しているように見受けられます。
オリエンタル白石(1786)や西松建設 (1820)は、伊藤忠(8001)との提携で、官民連携事業の拡大が期待されています。
■減益予想だが、高水準の受注残やテーマ性で株価堅調
今期(26.3期)会社計画は、売上高660億円(前期比2%増)、経常利益43億円(同23%減)と減益見通しです。前期(25.3期)にあった高採算の大型案件の反動や原価上昇などを、会社側は保守的に織り込んでいます。近年の傾向を見ると、会社計画は控えめに設定される傾向があり、市場予想とのかい離(上振れ余地)も大きい状況です。
インフラ維持管理などテーマ性なども注目され株価は7月以降から上昇基調。10/9(木)時点で年初来高値水準です。さらに、25.6月末時点で受注残高が過去最高水準(1,056億円)に達しており、将来の売上拡大の裏付けとして長期成長性が意識されています。
11/12(水)の2Q(26.4-9月期)決算発表では、引き続き受注残の積み上げに注目が集まるでしょう。
東海理化電機製作所 (6995)~安全・快適を実現する自動車部品。1Q好調と円安が追い風
★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■トヨタ系自動車部品。現地生産を展開
トヨタ自動車(7203)を大株主(25.3末時の持株比:率34%)とする自動車部品メーカーです。(以下の数字は25.3期)
高性能・高水準の操作性と機能性を実現させたHMI製品(ヒューマン・インタフェース製品)が売上高の39%を占め、各種スイッチがここに含まれます。物理的な鍵を廃しデジタル化を行うスマートシステムは売上高の15%です。
その他では、シートベルトが同14%、変速のためのシフトレバーが12%です。
国内・海外・関連企業を含め「トヨタ」向けが約74%を占めますが、スズキ、SUBARU、いすゞ、マツダ、三菱自動車、日産自動車等の国内メーカーやフォードといった海外メーカーにも製品を納入しています。
地域別売上高は日本40%、北米27%、アジア26%ですが、地域別生産比率がほぼ同比率と、販売先での現地生産が進んでいるとみられます。
自動車の安全や快適性を左右する製品が多く、長期にわたりトヨタ自動車等と信頼関係を構築できていることが強みであるとみられます。
■市場コンセンサスは「上振れ」を予想
26.3期は売上高5,800億円(前期比6.1%減)、経常利益200億円(同42.0%減)と減収減益の会社見通しです。HMI製品は好調が見込まれますが、開発費や未来創造投資負担、円高が響くとみています。
ドル/円の平均為替レートは25.3期の1ドル151円に対し26.3期は同135円と16円の円高・ドル安を見込んでいます。またユーロ/円は同じ時期162円→155円と推移する予想になっています。会社側は為替の円高だけで26.3期に56億円の減益要因を織り込んでいます。
こうした中同社の26.3期1Qは売上高1,526億円(前年同期比0.5%増)、経常利益94億円(同3.2%増)と増収増益でした。
顧客の生産増加に加え、原価改善が追い風でした。
26.3期2Q(25.4-7月期)の決算発表は10/30(木)の予定です。トランプ関税による混乱の影響が気がかりですが、25.4-9期の平均為替レート(三菱UFJ銀行対顧客レート)は1ドル146円、1ユーロ168円で推移しており、想定外の円安が追い風になりそうです。
市場コンセンサスでは、26.3期の売上高は6,096億円、経常利益289億円(Quickコンセンサス)と会社予想からの上振れが見込まれています。
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