SOXと原油、円相場が動かす日経平均 FOMCと日銀会合でどう動く?

SOXと原油、円相場が動かす日経平均 FOMCと日銀会合でどう動く?

投資情報部 土居雅紹

2026/09/15

同じ週に迫るFOMCと日銀会合

今週は市場関係者の間では「中銀ウィーク」ともいわれ、15日・16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、17日・18日に日本銀行の金融政策決定会合が控えており、日米の利上げの有無と今後の方向性についてのコメントに市場の関心が集まっています。米国では9月11日発表の8月の消費者物価指数(CPI、前年同月比)が3.4%と、市場予想通りながら高水準を維持する結果となりました。これを受け、9月16日(水)のFOMCで米国の政策金利が0.25%引き上げられるとの見方が優勢となっています(9月11日のCPI発表直後のFedWatchでは86.7%)。

トランプ大統領は、FRBに繰り返し利下げを求める一方で、中間選挙で共和党が上下両院を制した場合、成人1人当たり5,000ドルを給付する「トランプ配当」を公約しており、実現すればインフレ圧力を強める懸念があります。また、中東情勢は沈静化の兆しが見えず、原油高による物価上昇圧力が継続しています。このため、FRBは政権への配慮とインフレ加速懸念との板挟みとなっており、今後の利上げ方針についてのコメントが注目されます。

日本では、9月18日(金)に0.25%の政策金利引き上げが予想されていますが、市場参加者の注目はむしろ今後どのようなペースで追加利上げが進むのかに集まっています。連続利上げを示唆するコメントなら円高要因ですが、「データ次第」というようなコメントに留まれば、日米金利差の縮小は遅いとみて円安方向に反転する可能性もあります。日本のインフレも中東情勢の緊迫化を背景にWTI原油先物が1バレル100ドル台まで上昇していることで上昇圧力が強く、政策金利の決定の自由度を狭める材料となっています。

図表1は日経平均株価の週足チャートです。テクニカル分析のパラボリックシグナルを併せて表示しています。これを見ると、2026年7月の調整後、7/24から週足パラボリックの売りシグナルが継続しており、現状の地合いは弱いということが確認できます。

図表1  日経平均株価の週足チャート(2024/9/20~2026/9/11)

SOXと原油、円相場が動かす日経平均 TOPIXが崩れにくい理由とは?

■SOX指数・原油・ドル円で読み解く日経平均株価

直近3ヵ月の日経平均株価、PHLX半導体セクター指数(SOX指数、通称フィラデルフィア半導体株指数)、WTI原油先物、米ドル円レートを重ねてみると、値動きの関係性が分かりやすく浮かび上がります(図表2)。日経平均株価(赤色太線)はSOX指数(緑色実線)とほぼ連動して上下しており、米国のAI・半導体関連株の値動きが日本株全体の方向性を左右していることがうかがえます。一方で、原油価格(茶色点線)が上昇する局面や、米ドル安・円高が進む局面(水色実線)では日経平均株価が下落しやすい傾向がみられます。この関係に鑑みると、中東情勢の緊迫化に伴う原油高や、日米の金融政策イベントを控えた思惑的な円買いが、このところの日経平均株価の重荷になっているといえます。実際、2026年9月11日は原油高と米国CPI発表を控えた警戒感から日経平均株価は前日比1,259円61銭安(63,208円63銭まで下落する場面あり)となりました。SOX指数・原油・為替という3つの変数を意識することが、目先の日経平均株価の方向性を読むうえで有効と考えられます。

■TOPIX(東証株価指数)が相対的に崩れにくい理由

日経平均株価、TOPIX、米ドル円レート、日本国債10年金利、米国債10年金利を過去3ヵ月の相対チャートで比べると(図表3)、円高・日米金利上昇の局面で日経平均株価が下落する一方、TOPIX(黄色線)は相対的に値動きがしっかりしている様子がうかがえます。背景には業種間の資金シフトがあるとみられます。金利上昇局面では利ざや改善が期待される銀行株が買われ、円高進行下でも商社株は底堅く推移しています。AIの普及による事業への影響を懸念して売り込まれていたソフトウェア株にも見直し買いが入り、積極財政のメリットを受けやすい防衛・造船・土木関連など、円高や金利上昇への耐性が相対的に高いとされる銘柄群への物色が広がっています。こうしたセクターローテーションが、TOPIX全体の下げ渋りにつながっていると考えられます。ただし、これは直近3ヵ月の値動きから読み取れる傾向であり、金利や為替の変化幅・スピードが変われば業種間の物色構図も変化しうる点には留意が必要です。

■今後の投資アイデア

投資アイデアを考えるうえでは、日米の利上げや原油価格の動向に左右されることは避けがたいため、まずご自身の相場観を持つことが出発点になります。

中東情勢の混迷が続くと考えるなら、原油高によるインフレ圧力の高止まりから日米ともに金利が上昇し、円高が進みやすく、日経平均株価への下押し圧力は強まりやすくなると考えられます。金利上昇は一般に設備投資を抑制すると考えられ、AI大手からも開発ペースの調整を示唆する発言が出ていることを踏まえると、SOX指数の先行きにも慎重な見方となりえます。このシナリオを想定するなら、TOPIX先物やTOPIX連動型のETFでTOPIXをロングする、あるいは目先1~2ヵ月であればTOPIX先物ロング・日経平均先物ショートのロングショート戦略が選択肢の一つとなる可能性があります。

逆に、利上げ・円高・AI投資減速といった悪材料はすでに市場参加者の間で織り込みが進んでいると考えるなら、「野も山も皆一面に弱気なら...」の投資格言に従って、レバレッジをかけずに日経平均連動のETFや投資信託で反転上昇を狙う判断もあり得るでしょう。

図表2 日経平均、SOX指数、WTI原油先物、米ドル/円レートの相対チャート(2026/6/2~2026/9/11)

図表3 日経平均、TOPIX、日本10年国債利回り、米国10年国債利回り、米ドル/円レートの相対チャート(2026/6/2~2026/9/11)

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