SBI証券

会ってみた!
10社ファンドマネージャーに
独占インタビュー!INTERVIEW

独自の目線で飄々と進む、
岩谷ファンドマネージャーの世界

岩谷 渉平氏
運用ファンド「厳選ジャパン」
アセットマネジメントOne株式会社 運用本部 株式運用グループ 国内株式担当 ファンドマネージャー

Q. ご出身は?

東京です。

Q. 好きな食べ物はなんでしょうか?

寿司です。

Q. こどもの頃の夢はなんでしたか?

マイナー競技はおいしいと思いました(笑)

マイナー種目のオリンピック選手です。当時、平泳ぎはマイナー種目でした。鈴木大地さんがご活躍していたおかげで背泳ぎの競争が激しくなっていました。それで平泳ぎはますますマイナーになっていった記憶があります。それで大会では、速くない私でも表彰台に上がれたんです(その後、北島康介さんのご活躍などもあり平泳ぎのメダルは取りにくくなっていきました)。おなじ泳力でも、ときによりこちらのメダルの色が変わるのかと思いました。これは原体験ですが、株式投資の仕事に通じるものがあるかもしれませんね。

Q. 座右の銘を教えてください

「惜福(せきふく)」です。

「惜福」というのは、幸田露伴という作家が『努力論』で言っている「三福」の一つです。そもそも三福とは「運が良くなるためにはどうしたらいいか」というもので、惜福と分福(ぶんぷく)、植福(しょくふく)の三つに分けられます。「惜福」は、「福を惜しむ」という意味です。いいことがあった時に全部取り尽くさないでちょっと残しておくことをいいます。残りの二つは、「分福」は、「福を進んで分ける」こと。それから「植福」は「将来のために植えていくこと」です。まずは、惜福からと思って…取り組んでいます。将棋の米長邦雄先生の言葉から引用しています。私は将棋はしませんが(笑)

Q.1週間休みがあったら何をしますか?

他社でインターンをやってみたい。

一週間休みがあったら、インターンをしたいです。
他社の運用チームの人たちがどんな風に運用しているのか、インターンをしてみたいです。
株式市場での運用は、「全体のある一部を切り取った」ものにすぎません。日本には300万を超える会社があって、そのうち約3600社が上場しています。全体の1%にも満たない世界です。その中で僕らは3600社がまるで世界であるかのように暮らしているのですが(実際、それをユニバースとよんだりしています)、本当はそれはものすごく特殊な世界にすぎない。ですのでもし1週間休みをいただいたら、狭い世界から脱出してみたいと思います。

Q. 運用しているファンドやその運用方針の紹介をお願いします。

勝つのが目標ではなく、結果として勝ったらいいなと思っています。

「家計・企業・市場の成長に貢献したい」と思っています。勝ちたい・儲けたいという感覚よりは「ファンドに関係する人にプラスがあるようにしたい」と考えています。よく言われる「三方よし」の話でいくと、企業は事業を伸ばす。家計は資産が増える。マーケットはその機能を正常に発揮する。これはそうあってほしいとすごく思います。惜福もそういう意味ですね。それが運用方針かもしれません。株式市場という場所の土を耕して、なにかしら果実を後世に遺せればと思っています。

Q. ファンドに対する想いを一言で表すなら?

発掘するのではなく、そこにあるものと出会う

ライフスタイルに近いですね、ファンドの運用は生活の一部と思います。
ファンドの仕事は一般的に「リサーチして、投資判断をして、売買して、結果を説明して…。」といった具合ですすみますが、この中のリサーチをするところは、寝たり、起きたり、出勤したりすることがリサーチなので、生活の一部だと思います。リサーチをしたら、そこに投資をして、合っていたらパフォーマンスが出ると。パフォーマンスについて聞かれるので説明する。パフォーマンスが出ないときは間違えているのでしょうから、検証するっていう感じです。

運用のいいところは、アイディアを検証できることです。自分にとっては大事なことだったけど、他の人は大事じゃなかったみたいなこともよくあります。凄いアイディアなんだけどその時代には受け入れてもらえなかった、ということですね。逆に、そのときは隆盛だったけど、十年経ったら全然たいした話じゃなかった、みたいなことも後々検証できます。ファンドは、、、、変な音や不協和音をたてて、道を示してくれるものですね。

Q. 他のファンドマネージャー(または運用会社)に「ここは負けない!」というアピールポイントを教えてください。

本当のライバルは20代

そうですね・・・経験が短く、知識は浅い点です。僕はキャリアの途中からマーケットにきましたので、マーケットでの経験が短いです。それには良い面も少しはあると思っています。経験が浅いですから、成功体験がないです。それで、新しい技術や文化を取り入れたりすることについては苦がないかもしれません。

Q. 一目置いている経営者の方はいらっしゃいますか?

最初に南極にたどり着いた「アムンゼン」という探検家です。企業の経営者ではないですが、チームリーダーとして。
当時の探検隊というのはみんな競って北極点や南極点を目指していたんですけど、アムンゼン隊が成功したポイントはどこにあるのか。それは、このアムンゼンのチーム経営が良かったからだと思います。色々面白い話はありますが、例えば、他の探検隊は馬でそり引いていたところ、馬が途中で凍えて死んでしまった。アムンゼンは、現地での観察から、エスキモーが犬でそりを引いているのを知ってたので、犬ぞりで臨んだ。犬を飼育するところからはじめなければいけませんけど。ちゃんと現地へ行って下調べはしましょう、それで固定概念はとりはずしておきましょう、ということですね。

事業をスケールさせている会社の経営者のみなさまも、そうした点について共通するものがあると思います。準備する。強いチームを創る。ペースを維持する。20マイル行進といって、晴れの日も暴風のときも常に20マイル進む、という考え方があります。1年に20%ずつ成長すると複利で、13年で10倍になるんですね。(ジムコリンズ著 ビジョナリーカンパニー④より引用)

Q. 今後チャレンジしてみたいことはありますか?

天才の評価

ヒトの評価にすごく興味があります。
たとえば、天才は基本、評価されていないので、変人扱いされていたりしますでしょう。だけどその人が構想したアイディアが、会社の価値をだいたい創ってしまったというようなケースがありますね。そういった人を評価することに興味があります。そういうのはどうすればフェアに表現されるのだろうか。さらにはその天才のまわりにはまた人が集まりますね、その集合体や状態はどのようにバリュエーションできるだろうか。

法人には財務諸表があって、複式簿記で表現した業績とか、それなりに数百年にわたって開発してきた表現と評価はなされているのでしょうけど、もうちょっといくと、結局それを生んだアイディアそのものの評価につながっているわけで、このバリュエーションは追求していきたいですね。

Q. 最後に一言お願いします。

嵐の日に、運用報告会に来てくださった方々、目の前のひとりのかたのために、必要とされることをしたいです。そうしてこのファンドに投資してくれる方と、このファンドから投資する先の企業と、関係を築きたい。株式市場の土壌がわずかでも豊かなものとなり、後世に遺すことができればと思います。

インタビューを終えて

岩谷ファンドマネージャーには文字ではお伝えしにくい、独自の空気感があります。それはご自身の言葉の中にもあった「勝ちたいとは思わない」というところによるものなのかもしれません。「ファンドの運用は生活そのもの」という言葉通り気負いなく、自然にそこにある物や事象を評価している観察者、といった感じを受けました。

その一方で、惜福・三方よしといった言葉に表れるゆるぎない信念、想いが静かながらも強く伝わってくる方でもありました。
「厳選ジャパン」の強みである、銘柄選定力と「投資の醍醐味を投資家の皆さまに」というコンセプトは岩谷ファンドマネージャーのお人柄そのもの、と言えるかもしれません。

SBI証券 小澤

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