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北原 淳平氏(東京海上アセットマネジメント株式会社 株式運用部 日本株式運用グループ ファンドマネージャー兼投資調査グループアナリスト)|会ってみた!10社ファンドマネージャーに独占インタビュー!|SBI証券

SBI証券

会ってみた!
10社ファンドマネージャーに
独占インタビュー!INTERVIEW

業界に風穴を開ける
注目の若手ファンドマネージャー

北原 淳平氏
運用ファンド「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」
東京海上アセットマネジメント株式会社 株式運用部 日本株式運用グループ
ファンドマネージャー兼投資調査グループアナリスト

Q. ご出身は?

神奈川県横浜市出身です。
生まれも育ちも横浜です。横浜の人は特徴があって、あまり横浜から他の都道府県に出ていこうとしません。一方、転入が多く、人口がかなり増えてきているため住み難いと感じています。そんな中、財政も悪く、ふるさと納税による住民税流出なども重なり、住民に対するサービスがどんどん悪くなっています。地価も高いことから、変にプレミアムがついている様に感じます。
これらは株などにも繋がるものがあって、例えば千葉を例にあげると、東京駅から横浜は電車で30分程度なんです。千葉も東京駅から30分程度で、どちらも交通の便は変わらないのに千葉は地価が安いんですよね。
たまに利益が出ていない企業で、何故か株価が高い企業があるのと同じです。結局、そのバリエーションの価値とは、計算できないものであって、人々の期待であったりするのかなと思います。

Q. 好きな食べ物はなんでしょうか?

サイゼリヤのミラノ風ドリアと、崎陽軒のシウマイ弁当です。

横浜出身なので、やっぱりシウマイ弁当ですね。
どちらも好きな理由はそれぞれ価格に対する満足度が高いと感じるからです。株式投資に通じるものがあります。良いものを、安くお得に。それを体現しているようなものなんじゃないかなと思います。
ミラノ風ドリアの価格は299円(税込)*で、食材コストや人件費が上昇してもずっと値段が変わらないんですよね。一方、崎陽軒のシウマイ弁当はすごくインフレしているんです。今は860円(税込)*ですが、世の中のニーズに受け入れられているんですよね。私もシウマイ弁当が値上げしても買ってしまいます。おいしさと価格のバランスで満足度が高いです。企業調査でも、値上げしても皆が欲しいと言ってくれるような商品を取り扱っている企業に注目しています。
*価格は2019年2月末時点の各社公開情報より抜粋

Q. こどもの頃の夢はなんでしたか?

サッカー選手です。

小さい頃からやっていたので。サッカーを通じて培われた負けず嫌いみたいなものが、ファンドの運用にも繋がっているんじゃないかなと思います。サッカーは今もやりますし、観に行ったりもしますよ。

Q. 座右の銘を教えてください

「献身・誠実・尊重」です。

これはジーコ・スピリットという、サッカーの神様とも言われるジーコの教えで、プロサッカーに必要なのはこの3か条だと彼は言っています。サッカーと運用では、当然意味合いは異なりますが、私なりに参考にさせていただいています。私はサラリーマンですが、やはりプロとしての誇りを持たなきゃいけないと思っています。

Q.1週間休みがあったら何をしますか?

カシマサッカースタジアムに行きます。

ただ、休みがなくても行きます。去年は横浜から車でカシマサッカースタジアムで行われた鹿島アントラーズのホームの全試合に行きました。全試合といっても、サッカーのJ1は18チームあって、その中の総当り戦なので17試合ぐらいですよ。それ以外にもACLやカップ戦、天皇杯など、色々あったので、20数回行っています。また、去年はワールドカップイヤーだったこともあり、平日の開催が多かったためダッシュで横浜まで帰り、車を取りに行って試合を観に行き、24時ぐらいに帰ってきていました。

Q. 運用しているファンドやその運用方針の紹介をお願いします。

「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」は経営者が実質的に5%以上の株式を保有する企業に投資するファンドです。

オーナー企業は、経営者自身が株主であることや、在任期間が実質的に長期であることから、長期的な株主利益を追求しやすい構造にあると考えています。
また、経営者の判断が実質的な最終方針ですので、迅速な意思決定が可能である点も強みだと考えています。原則としてオーナー経営者と直接面談したうえで組入れ銘柄を決定しています。
いつの時代にもリスクを取って、事業を遂行するオーナー経営者は普遍的であり、そのようなオーナー経営者を応援するファンドだと思っています。

IPO銘柄については、時間が合えば、全ての企業について上場前に面談するようにしています。直接トップの話を聞ける貴重な機会です。今日も2件出席してきました。直接面談しても、実際は投資できない企業の方が多いです。それでもやはり、会ってみないと分からないので直接会って話を聞いています。
私自身がどう運用していくかコンセプトを決める段階から担当していますので、毎日、大切に育ててきた子供のように感じています。

Q. 他のファンドマネージャー(または運用会社)に「ここは負けない!」というアピールポイントを教えてください。

ジーコ・スピリットを参考とした“プロの心構え”として、この3つをあげています。

【献身】

1円でも基準価額を上昇させることができるように、お客さまだけのことを考えて全力を捧げますということです。

【誠実】

自分の能力の限界を素直に認め、能力以上のことはしません。
これも結構大事なことだと思っていて、為替が円高・円安に動くんじゃないかとか、米中貿易摩擦が解消してこの辺の銘柄がいいんじゃないかといったことは一切考慮していません。なぜかというと、私はそういった予想できる能力がないわけであって、ここでは誠実に出来ないことは出来ないとしっかり言うことが、運用するうえで大事だと思っています。

【尊重】

この言葉の背景は対戦相手をリスペクトしようという意味があります。
私でいう対戦相手とは他のファンドマネージャーであったりすると思っていて、他のファンドマネージャーや学術論文の優れた点は積極的にファンドに取り入れるということで、自分のやり方に固執せずに運用するという点を大切にしています。
この3つを心意気として整理し、運用しています。

Q. 一目置いている経営者の方はいらっしゃいますか?

それぞれの経営者はそれぞれ素晴らしいので、一人を挙げることは難しいです。
また、好きになってしまうと、売れなくなってしまうのでバイアスをかけてはいけないと思っています。
1円でも基準価額を上昇させることが目的であって、あまり誰がいいとか、どの企業がいいとか言わないようにしています。

Q. 今後チャレンジしてみたいことはありますか?

過信せずに毎日生きたいと思います。

やはり甘えが生じますので、良いパフォーマンスであってもそれは忘れて、やり続けるということ。簡単なように見えますが、運用者としてこれこそ最大のチャレンジだと考えています。

Q. 最後に一言お願いします。

レポートなどで、いつも一番最後に書かせていただいていますが、オーナー経営者が必死に頑張る中で、ファンドマネージャー自身もそれに負けないよう、私自身必死で頑張りながら今後も運用したいと思っています。

こういった企画はすごく良いと思います。以前、信託銀行に在籍していた時、公募投信を販売する側であったので、沢山ある商品の中からどう売っていけばいいのだろうかという点を難しく感じていました。
一般の方からしたらアクティブファンドと言われても全部同じファンドに見えてしまい、分からないと思いますので。今、運用する立場となって、ファンドマネージャー自身が、自分の運用の想いや、考えを話すことは非常に有用だなと、こうした自分の体験からも思います。

実は調べてみると、去年リターンが良かったファンドはファンドマネージャーが表に出ているファンドが多いんですよね。私自身も見られていることが緊張感にもなりますし、それが良いパフォーマンスに繋がる面というのはかなり大きいんじゃないかと考えています。
私が運用しているファンドも同じで、オーナー経営者の方は、ソフトバンクの孫さんや楽天の三木谷さんのように、顔が見える方が多いと思います。会社経営者はそういった緊張感の様なものがあった方が良いと思いますし、ファンドも同じことが言えると思います。

インタビューを終えて

不安定であった2018年の相場環境の中、トータルリターン5.76%と類似ファンド分類内で第1位(67本中)となっただけでなく、国内株式型 部門全体で見ても第1位(829本中)となった、東京海上アセットマネジメント「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」を運用する北原氏。

今、最も勢いのあるファンドマネージャーの1人と言っても過言ではない北原氏へのインタビューはとにかく“熱い”!!!同社の動画や販売用資料で拝見する北原氏はクールなイメージでしたが、お会いして驚いたのはサッカーの神様ジーコを愛する情熱の塊のような方でした。仕事も趣味も全力で取り組む姿はまさに獅子奮迅の活躍といえます。
人生100年時代と言われ、高齢化するファンドマネージャー業界の中でも若さと圧倒的な勢いのある北原氏から今後も目が離せません。

SBI証券 長谷川

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