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会ってみた!
10社ファンドマネージャーに
独占インタビュー!INTERVIEW

投資は未来を信じる力
資産形成を通じてより多くの夢の実現を

伊井 哲朗氏
運用ファンド「コモンズ30ファンド」
コモンズ投信株式会社 代表取締役社長 兼 最高運用責任者(CIO)

Q. ご出身は?

名古屋です。

Q. 好きな食べ物はなんでしょうか?

たこ焼き

こどもの頃から大好きで、今も関西に限らず、全国出張の時にお店を見つけると食べてます。
関西風の醤油ベースが好きですね。

Q. こどもの頃の夢はなんでしたか?

宇宙飛行士ではなく、飛ばす方の人

小学生の頃、ちょうどアポロ計画が盛り上がっている時で、宇宙飛行士でなく、「ロケットを飛ばす方の人」になりたかったです。小学校の卒業文集にも、ヒューストンのNASAの宇宙センターでの仕事をしたいと書いてました。今からだと実現のしようがないですけどね(笑)。

Q. 座右の銘を教えてください

「感謝、謙虚、パッション」

感謝と謙虚が本当に大切で、加えてパッションが欠かせません。
これは奈良県吉野の大峯山で1999年に千日回峰行を成した塩沼亮潤大阿闍梨からもらった言葉です。千日回峰行とは、1300年で2人しか成せた人がいないほどの大変な行。
標高差1,355mある山道を往復48キロ、1,000日間を9年間かけて歩く。熱があっても、台風がきても何があっても9年間続けなければならず、もし挫折する場合には携えた短刀で切腹しなければならないという掟があるそうです。
さらに大阿闍梨はその翌年、四無行も成し遂げています。この大阿闍梨からは沢山の教えを頂いています。どうやって自分を律するのか、周囲への感謝の本質は、平常心を保つためには、苦しい時の心の持ち方など、次元を超えた方からの教えは、その都度、背筋が伸びる思いです。

Q.1週間休みがあったら何をしますか?

休みという概念がありませんが・・・

起業した経営者って、ブラックに働くんですよね(笑)。イーロン・マスクが週120時間くらい働く、5日以上休みをとったことが無い、と何かに出ていた時、周りは「すごい」と言っていたけれど、「自分も一緒だけど?」って(笑)。
起業した経営者って境目が無いんですよね。
ただ、サッカーが好きなのでヨーロッパに観に行けたらいいなとは思います。あとはスキー合宿で山に籠もるとかね。

Q. 運用しているファンドやその運用方針の紹介をお願いします。

「コモンズ30ファンド」は、つみたてNISAに選ばれた数少ないアクティブファンドで、“長期厳選集中投資”のスタイルを特徴とします。5つの軸(4つの力と企業文化)で投資先を決めていて、30年、30社、そして対話を大切にするファンドです。
※5つの軸(4つの「力」と企業文化)=「収益力」、「競争力」、「経営力」、「対話力」と「企業文化」
“銘柄を厳選して、長期で集中投資する”考えに基づき、投資を行っているのは日本では数人だと思います。多くの経営者から「日本にはパートナーとなるような良い投資家がいない」と言われます。経営者は20年先や30年先までもイメージして会社を経営しています。海外の長期投資家は、そうした経営者と同じ時間軸で、経営トップがどんな経営哲学をもち、何を考え、それがどう組織やビジネスに反映されていくのかを聞き、調べ、長期投資を実践しています。だから経営者も本気で意見交換するのですが、日本の投資家は短期的な数字やリスクに関する質問が多いようで、なかなか経営者のパートナーにはなれていないようです。多くの経営者から、コモンズは数少ない長期投資家だから頑張れと言われます。

「30年目線で30社に厳選投資し、対話を大切にする」について、触れていきましょう。
30年目線というのは、短期的な株価を当てるのではありません。長期投資の発想がどういうことかを例え話で最近、こんな話をしています。お子さんが生まれて、1社だけ株をプレゼントする。ただし、条件が2つある。「1つは20歳になるまで売れない」、「もう1つは20歳になった子供に対して親として説明をして、子供にいいね!をもらわないといけない」という条件だとしたら、どんな企業を選びますか?
例えば、どんな時代でも人類が生きていくために必ず必要となる衣食住に関わるような商品やサービスを展開していて競争力も高い企業。そしてもう1つは外部環境の変化を乗り越えられる強い会社を選ぶということ。

別の側面で2番目に大切なこと。自分の娘に株をプレゼントして3倍くらいになっていたとしたら、偉そうに「お父さんが選んだんだよ!」と言えますね。でも娘に「この会社知ってる。でも超ブラックじゃない?」と言われてしまったら僕の立場はないですよね。なんで私にこんなブラックな会社の株をプレゼントしたの?と。ではなくて、「この会社知ってる。環境に対して優しい取り組みをやっていて、日本で最初にプラスチックストローをやめた会社でしょ。OBOG訪問しても学生に一番人気の会社。その会社を20年も前に選んでくれてたの?」となると、すごく鼻が高くなりますよね(笑)。これは実はESGなんです。環境、社会、ガバナンスというのは長期の目線です。「コモンズ30ファンド」はこうしたか要素が入った、かわいいお子さまにプレゼントしたくなる企業を選び抜いた長期投資のファンドなんです。

氷の地面に植えた種の芽が出た。これからもしっかり育てていく

2009年1月から運用が始まっているのですが、当初日経平均は8,200円くらいでした。当時は業界の専門家からも「応援したいけど、日本株はまだまだ5,000円くらいまで下がるから応援できないよ」と言われました。私たちは「日経平均はそうかもしれないけど、このファンドはそんなことないよ」と言ってました。当初集めた金額は1億1,800万円でした。社内に対しては、氷の地面に種を何とか植えることができた。何とかしっかり育てていこう!という話をしました。今、それがなんとか芽が出て、日経平均が10年で2.5~3倍になったのに対して、ファンドはそれを上回る実績を出すことが出来ています。

Q. 他のファンドマネージャー(または運用会社)に「ここは負けない!」というアピールポイントを教えてください。

投資家であり起業家であること

年間200~300人の経営者に会います。経営者の方たちは、経営者同士で勉強会をやったり会食をしたり旅行にいったりとオンもオフも経営者同士での交流を活発に行っています。「企業理念が大事だよね」、「企業理念の作成プロセスやその後の浸透のさせ方はどうしてる?」みたいな話を結構するんです。そこでは、経営者ならではの悩みや夢を共有するのです。こうした輪に、金融機関の方が入っていることは殆どありませんが、私は起業した経営者としてその仲間に入れてもらう機会が多いです。こうした機会で経営者から学ぶことはとても多く、それが投資判断にもつながっていきます。経営者であることは大事だと考えています。

「起業した」ということと「長期」と言うのは、私の強みのポイントだと思っています。経営者の想いや視点を理解することは同じ経営者でないと出来ないのではと思っています。

Q. 一目置いている経営者の方はいらっしゃいますか?

同世代の経営者

ソニーの平井会長、丸井Gの青井社長、セイノーHDの田口社長など同世代で頑張っている経営者を親しみを込めて尊敬しています。

Q. 今後チャレンジしてみたいことはありますか?

サッカーで何にも考えず思いきりボールを蹴りたい

数年前まで東京都リーグの大会に出ていましたので、サッカーを復活したいですね。サッカーをやっている時は何も考えず、ゲームだけに集中できる。
今はフットサルをたまにやりますが、コートが小さいので消化不良です。やっぱりサッカーで思いきりボールを蹴りたいです。

Q. 最後に一言お願いします。

朝起きたら誰もが歯を磨くように、誰もが資産形成をする社会を実現したい

日本人は、資産形成が身についてないですよね。金融業は、まだまだ信頼されていないと感じることが多かったです。証券会社に就職し、サラリーマン時代も一生懸命にお客さまの信頼を得たいと頑張っていました。そのお客さまからは感謝されることもありましたが、幼なじみが集まる同窓会などに行くと、ボロクソ言われるんですよね(笑)。小・中学生の頃は学級委員や生徒会とかやっていたんですが、同窓会では「なんで証券会社に行ったんだ」って言われたんです。「うちの親もだまされてる!」という話ばかり。自分が一生懸命働いている業界がこんなにひどく言われているのは、いくら頑張ってもやりがいが無く、生きてる証が残せないな、と思ったんです。それは何とかしたいと思って、志を同じにする仲間と起業しました。昨年、金融庁の示す共通KPIで1位になり、2018年3月末の数値ですが97.7%のお客さまに利益が出ているとの結果には、お客さまはもとより多くの関係者の皆さんにも改めて喜んでいただけました。自分の心の中で小さなガッツポーズもありました(笑)。この10年間の取り組みの結果に改めて気を引き締め、資産形成を通じて、より多くのお客さまの夢の実現などお役にたちたいと思っています。
海外ではパブなんかでも普通に投資の話をしますけど、日本の居酒屋で投資の話なんかしてると、なんか危ない、みたいな感じですよね。
株式投資はギャンブルっていうのは世界中で日本だけ。ちゃんとした資産形成が当たり前のようになる社会にしていきたいです。朝起きたら誰もが歯を磨くように。

インタビューを終えて

「静かなる闘志」
このインタビューで最も強く感じた伊井さんの印象です。日本の投資に対するイメージや考え方、そして日本の投資家に対する世界の見方を変えたいという実直な、かつ熱い想いで溢れている方です。終始穏やかな、そして本編に書ききることができないたくさんのエピソードを交えてのお話に、時間が経つのも忘れて引き込まれていました。
伊井さんのお人柄と「パッション」に魅かれ、そうそうたる経営者の方も含め多くの人が引き寄せられるのだと思います。
“投資がもっと身近なもの、当たり前のものになるように”
その実現に向け着実にファンドを育て、歩みを進めているコモンズ投信。
多くの方にその魅力を知っていただけるよう、私たちもまだまだやるべきことがある。そう身の引き締まる思いです。

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