国内株式日経平均は3万円視野も波乱に注意

2021年の日経平均は高値3万円が視野に

日経平均株価のBPSは22,449円(12/21)であり、今後企業業績の拡大により徐々に上積みが見込めそうです。新型コロナウイルスに対してはワクチンが複数有効になりつつあるうえ、歴史的な金融緩和状態により、2021年には、今年のようにPBR1倍を深く割り込む可能性は小さいと予想されます。2021年の最低PBRが2019年並みの1.04倍と仮定するならば安値は23,346円近辺が想定されることになります。

高値時点でのPBRは、アベノミクス相場開始(2012/11)以降の1.47倍が最高なので、この数字を使うことも可能ですが、現状では楽観的過ぎるかもしれません。ただ、日経平均株価が3万円の時のPBRは1.34倍と計算されるため、日経平均株価が3万円という高値のシナリオを想定することは十分可能だと思います。

EV、再生エネルギー、水素・燃料電池など「環境」への注目が続きそう

EV(電気自動車)、再生エネルギー、燃料電池・水素など環境関連銘柄は、トランプ政権では日陰の存在になっていただけに、バイデン新政権で新たに中心的な政策となり、日本でも菅政権が国策としていることから、注目が続きそうです。
2022年4月から東証が3市場に再編されますが、それまで東証1部市場の存在に不透明感が残る上、ドラスティックな再編がしにくい面もあり、NT倍率の上昇は続くかもしれません。2021年も日経平均採用銘柄が、TOPIX銘柄のパフォーマンスを上回る状態が続く可能性が大きいように思われます。

低金利の長期化シナリオを盲信しない方が良さそう

市場で、疑いの余地がないようにみえる見方に、大きな罠が隠れていることが多いので、注意が必要です。現在、株式市場では2023年まではゼロ金利が続くシナリオに疑いを抱いていないようですが、そのことに対して疑問を呈する見方が出てくるだけでも市場は荒れると思われます。2021年に首尾よく、世界が新型コロナウイルスを克服できた時、低金利も続くとする見方は都合が良すぎるように思われます。金利が底を打った時に、新興国方面から混乱の火の手が上がる可能性にも注意が必要です。

鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長(日本証券アナリスト協会検定会員)

早稲田大学卒。旧日栄証券(現SBI証券)入社、リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。ウエルスアドバイザー株式会社(調査分析部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオNIKKEI(月曜日)、ストックボイス(木曜日)等でコメントを発信中。ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。

2021年セクター別予想

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