中小型株ニッチだが業界内でのポジションが高く、かつ成長性ある企業を狙う投資戦略

2020年中小型株市場を振り返る

2020年中小型株市場を振り返ると、年前半は新型コロナウイルスに対する懸念により大幅な株価調整を余儀なくされたものの、コロナ影響を受けないネット関連などの一部の銘柄に物色が集中し、逆行高する銘柄が散見された。11月以降はワクチン開発&承認という安心感もあり、株価は下落幅を取り返し、上値を追う銘柄が増えた。企業側から公表される業績見通しについても、前半弱気、後半正常化したように思える。例えば、5月頃に発表になった各企業の21/3期業績見通しは、多くの企業がコロナ影響を織り込めないということで開示しなかった。しかし、中間決算発表時には多くの企業が21/3期通期業績を開示した。それら開示数値は減収減益が多いものの、5月頃に投資家がイメージした数値よりは強い数値で、投資家に安心感を与えたと思われる。

2021年の展望

2021年は、新型コロナ影響の懸念はのこるものの、中小型株市場は堅調に推移すると考える。投資家心理に最も影響を与える業績も22/3期は21/3期よりは良さそうだ。21/3期上期は、コロナ禍真っ只中で、大ダメージを受けた。22/3期上期は、コロナ禍からの回復過程にあるものの、21/3期上期比では増収増益となる企業が増えると考えられる。新型コロナワクチンの開発・承認が今以上に進展していれば、経済活動が活性化し企業業績は明るさを取り戻すことになる。中小型株市場も全体的に活気を取り戻す可能性が高いと考える。

2021年の注目のテーマ、キーワード

2021年の注目テーマ、キーワードは、「ESG」、「健康・介護」(3年に1度の介護保険報酬改定実施予定)、「半導体微細化」、「5G」、「電気自動車」、「自動運転」、「新型コロナワクチン」、「非接触」、「在宅勤務」など。ウィズコロナ時代で人間の行動パターンが変化するなかで、それに適したサービス、ハードウェア(パソコンなどの通信機器)関連分野で新たなビジネスチャンスを生み出す企業に注目があつまると考える。

森本 展正
SBI証券 企業調査部(中・小型株担当 シニアアナリスト)

1985年に和光証券(現みずほ証券)入社、86年和光経済研究所に出向、日本興業銀行、和光証券アメリカ出向。
96年より情報サービス、ゲーム等の企業調査を開始し、東京三菱証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、クレディ・スイス証券で情報サービス・セクターのアナリスト業務に従事し、みずほ証券ではIPO・中小型株を担当。
日経アナリストランキングで上位の評価を得る(2006年情報サービス・ゲーム部門1位)。
2020年にSBI証券入社。

氏原 義裕
SBI証券 企業調査部(中・小型株担当 シニアアナリスト)

1982年に新日本証券(現みずほ証券)入社。1985年から1991年まで香港、その後1994年まで日本興業銀行(現みずほ銀行)シンガポール証券現法に出向し機関投資家営業。2000年から2003年まで新規公開企業(IPO)を中心にアナリスト業務を開始。2003年から現在まで幅広く中小型銘柄の調査・発掘を行っている。日経ヴェリタスアナリストランキングは、2007年、2010年と1位、直近2020年は8位。Institutional Investors誌アナリストランキングはOTC&Small Cap部門で2016年2位。Starmine Household Durablesの企業分析部門で2015年1位。2020年4月より現職。

2021年セクター別予想

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