機械・ロボットSBI「温暖化防止注目技術20」選定。世界が脱炭素に揃い踏み。「水素」「CCUS」に注目

2020年の機械、造船・プラント/医療機器・サービスセクターを振り返る

2020年はCovid-19のダメージを経て、工作機械月次受注は5月を底にボトムアウト、11月には18年9月以来、2年2ヵ月ぶりにYoYプラスに転じた。株式市場も先行する米国市場で半導体、IT関連株価指数がITバブル期のピークに近づき、出遅れ感と合わせて「世界の景気敏感株」とみられる、日本市場、そして「景気敏感株」の中心である「機械株」は数年に一度ともいえる、注目すべきステージを迎えた。グローバル視点でみた場合、日本の輸出構造は、輸送用機器約24%、一般機械同20%、電気機器17%。自動車を除き、国際競争力を有するのは、産業用ロボット、工作機械、CNCなど。「シクリカル+グロース」である、ロボット・FA関連株は大きく上昇した。8月11日、国産初の手術支援ロボットシステムが製造販売承認を取得したことにも注目できよう。

2021年の機械、造船・プラント/医療機器・サービスセクターの展望

「短期警戒、来期は期待」というのが結論。当セクターが先行指標としてグローバル製造業PMIに注目している。なお現在は中国財新製造業PMIがベターであろう。同中国PMIについて、コロナ禍の20年2月は過去最低の40.3に低下したが、翌3月50.1、7月には2014年以降の最高値52.8に上昇した。その後も上昇トレンドが続き、11月は54.9まで上昇しており、短期的には警戒が必要であろう。一方、Covid-19の感染拡大は続いており、これはリスクファクターと考えられるが、経済活動へのダメージは、現時点で20年4-6月期が最大とみている。これを前提に、全体感として21年のファンダメンタルズは堅調と予想している。なお「ポストコロナの新常態」を念頭に置きたい。Covid-19を経て成長産業は変化したとみるべきであろう。調整があった場合、eコマース、ロボットなどを中心に、「ポストコロナ」で、より成長ビジビリティの高い企業を選択したい。

2021年の機械、造船・プラント/医療機器・サービスセクターの注目テーマ、キーワード

SBI選定「温暖化防止注目技術 20」は必見。バイデン氏は「グリーンニューディール」を掲げたオバマ政権時の副大統領であり、少なくとも現時点において、報道も物色動向も当時と類似した展開とみている。すなわち、まずは太陽光、(洋上)風力など再生可能エネルギーに注目が集まり、その後当時は原子力ルネッサンスを迎えた。SBIではこれに代わって「水素」+「CCUS」に注目する。また「GNTO」(グローバルニッチトップオンリーワン)の視点から、医療機器・サービスに注目したい。プレコロナまで大きな成長を示したが、Covid-19により、業績は踊り場になっている企業が多い。同各社はグロース、バリュー、景気敏感などの波に乗らない、オーガニックグロース、低ベータの成長株などとみられ、出遅れ感の解消が広がる可能性があろう。

諸田 利春
SBI証券 企業調査部(機械、ロボット担当 アナリスト)

1988年に新日本証券(現みずほ証券)入社、1992年新日本証券調査センターに出向以来、東京三菱証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、ドイツ証券にて、約20年にわたり、機械、造船・プラントセクターのアナリスト業務に従事。準大手証券でアナリスト開始後、約3年でアナリストランキングにランクイン。以降約17年にわたり上位をキープ。最高順位は日経ランキングが機械3位、造船・プラント2位、Institutional Investor Plant Engineering & Shipbuilding 2位。その他Greenwich SurveyMachinery 5位、スターマイン 機械1位など。2005年には当時初の機械、造船・プラント両セクターでの日経top3入りを達成。
三菱UFJ証券以降は、特にロボット、FAなどメカトロニクス分野の調査に注力。欧ABB、独クカ、シーメンス、米ボーイング、キャタピラーなど海外競合メーカーへの取材、工場見学実績も多数あり。

2021年セクター別予想

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