医薬・バイオセクター2021年注目イベント~新たな「モダリティ」の登場・拡大に期待

2020年の振り返り

2020年は、COVID-19のワクチン、治療薬の開発動向のイベントに良くも悪くも振り回された1年であったといえましょう。一方、日本の医薬・バイオセクターにおける重要なイベントが2つありました。(1)日本初のデジタルアプリの当局承認、(2)デジタルウェアラブルの医療機器承認、です。
数年前より、医薬・バイオセクターでは“モダリティ”という言葉がバズワード化していました。モダリティとは、一般的には「様相」、「様式」などを表す単語ですが、医療分野においては、医薬品・医療機器の種類やタイプを表す言葉として使用されます。2020年は低分子医薬品、抗体医薬などの“医薬品”の枠を超えた、アプリ、ウェアラブルなどの新たなモダリティが上市した重要な年であったと思います。

2021年の展望

引き続き、ワクチン・治療薬ラリーは重要なイベントになると考えます。2021年はワクチンの投与、いくつかの治療薬の治験結果発表が控えています。これらのニュースフローは引き続き、注目イベントとして考えられます。
国内バイオベンチャーを見ると、年前半にいくつかの再生医療等製品の最終治験の結果発表が控えています。これらの結果次第で、マーケットのバイオベンチャーへの期待値が変わる1年になることが予想されます。また、大手製薬企業のデジタルアプリなどへの新たな取り組み、ベンチャーとの協業も、より一層加速する1年になると考えます。

2021年のキーワード

国内の薬価改定は厳しいものが予想され、製薬・バイオ企業は新たなビジネスモデルへの転換が迫られているタイミングです。そのため、モダリティは引き続き、重要なテーマとなると考えます。
その中でも、「再生医療」はいくつかの開発品の治験結果発表などのイベントが豊富なこともあり、2021年のキーワードとなるでしょう。

川村 龍太
SBI証券 企業調査部(医薬・バイオ担当 アナリスト)

2014年に大手日系証券会社に入社。新卒より一貫してアナリスト業務に従事。2015年、ジェネリック、バイオ企業の個別調査を開始。
その後、1年の海外留学を経て、バイオセクターを立ち上げる。2019年、参天製薬にIRとして入社。事業会社サイドから資本市場との対話に注力。
2020年9月よりSBI証券に入社しバイオセクターを担当。セルサイドアナリスト、事業会社の経験を活かした、包括的なリサーチを心掛ける。
経産省の「バイオベンチャーと投資家の対話促進研究会」にも参加。

2021年セクター別予想

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