小売、レジャー・アミューズメント2022年はアフターコロナに向けての動きが本格化、メタバースに注目か

2021年はリオープニング銘柄に沸いた1年に

2021年は、「リオープンニング」関連の銘柄が脚光を浴びた1年だった。私がカバレッジしているセクターの中でも、旅行、ホテル、テーマパーク、ライブ、レストラン、百貨店などリオープニング関連の銘柄が軒並み物色された。特に、リオープニング銘柄でありながら、コロナ禍でもしっかりとした収益を上げている企業の株価上昇が顕著だった。一方で、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンターなどコロナポジティブとみられている銘柄の多くは、株価が低迷した。2019年比で大きく業績を伸ばしていて、株価バリュエーションに割安感のある銘柄であっても、特需のあった2020年比で減益になり、売り込まれる銘柄も散見された。

2022年は アフターコロナに向けた動きが本格化か

2022年は、オミクロン株の感染拡大など不安要素はあるものの、アフターコロナに向けて動き出す1年となろう。コロナ禍を経ての生活習慣の変化などによる影響が株価に反映されてこよう。例えば、従来よりも、密になることを避けたがる人が増え、テーマパークやライブ・イベントなどでは、入園者数・来場者数を抑制して、単価を引き上げる傾向が強まるとみられる。その時に収益性が高まるのかどうかが注目されよう。また、居酒屋・レストランなどでは、テレワークの定着や、大人数での宴会などを避ける傾向が残り、コロナ前に比べての市場縮小は避けられないとみられる。一方で、淘汰も進むとみられ、残存者メリットを得られる企業を探す動きなどが強まろう。

2022年はメタバースが株式市場のテーマとなるか

Facebookが社名をMetaへと変更したことなどをきっかけに、株式市場において、メタバースへの注目度が高まっている。メタバースによって、新たな市場が生まれるとまでは考えていない。既存の市場の一部がメタバースに置き換わるような感じではないかと予想している。但し、メタバースは株式市場では、全体像がはっきりみえるまでは、期待値が先行して、大きな相場になる可能性を秘めていると考えている。メタバースに関連する企業の中で、収益を着実に伸ばしている企業に注目したい。メタバースと聞くと、20年近く前の「セカンドライフ」が思い起される。当時と比べるとかなり進化しており、色々な分野で一定の市場は形成されるとみており、短期間で廃れるようなことはないであろう。

田中 俊
SBI証券 企業調査部(小売、レジャー・アミューズメント業界担当 シニアアナリスト)

1988年に山種証券(現SMBC日興証券)入社、支店営業、投資情報部などを経て、山種調査センター(現SMBC日興証券)に出向。 以来、約20年に亘り、小売、レジャー・アミューズメント業界のアナリストとして、業界・企業分析に携わる。2016年12月より現職。トムソン・ロイター アナリスト・アワード・ジャパン2016にて、収益予想部門 ホテル・レストラン&レジャーで業種別1位。主力銘柄のカバーをしつつ、機動力を生かして、アナリストカバレッジの少ない地方銘柄、中小型銘柄の発掘にも注力。

2022年セクター別予想

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