2021年は、コロナ禍からの回復により半導体関連メーカーが需要好調の恩恵を受けた。一方、半導体ユーザー企業は、サプライチェーンの混乱や半導体不足によるマイナス影響を大きく受けた。WSTS(世界半導体出荷統計)によると、21年の世界の半導体出荷金額は、前年比+25.6%増と、20年の+6.8%増と比較し伸び率が大きく加速する見通し。半導体の需要がレガシー半導体から最先端半導体まで、また、パソコン、スマホ、データセンター、自動車、産業分野と、幅広い分野で好調であるためだ。供給不足を解消するための設備投資も活発であり、半導体製造装置、FA関連の需要も好調だった。

エレクトロニクス半導体不足で苦戦した川下企業にとっては、22年は「捲土重来」の年に
21年は半導体不足による明暗が分かれた1年に
22年はサプライチェーンが徐々に改善に向かうだろう
22年も世界の半導体市場は3年連続のプラス成長が続くと期待される。だが、増産投資の効果が徐々に表れメモリーを中心に価格が下落するため、成長率は21年に比べると鈍化しよう。一方、コロナによるロックダウン、中国における電力不足、港湾等における人出不足影響等によるサプライチェーンの混乱は、21年に比べると改善に向かうだろう。このため、半導体不足で苦戦した川下企業にとっては、22年は「捲土重来」の年となることが期待される。
2022年の注目のテーマ、「EVシフト」、「EUVシフト」、「Web3」
自動車の電動化(EVシフト)は、トランプ大統領復活の可能性が高まるなど、世界情勢が大きく変わらない限り、22年も注目投資テーマとなろう。半導体市場は減速するが、「ムーアの法則」は健在であり、半導体の微細化投資は止まらない。このため、「EUVシフト」も外せない注目テーマである。巨大になり過ぎたGAFA(米国のビッグ・テック)への批判が強まっている。個人情報や膨大なデータが、GAFAによって独占されているためだ。この状態を克服するために、分散型のネットワーク(ブロックチェーン)をベースとした「Web3」に対する注目が高まると考える。ブロックチェーン技術はMaaS(Mobility as a Service)領域でも重要な役割を果たすため、要注目だ。

和泉 美治
SBI証券 企業調査部(エレクトロニクス、半導体・電子部品担当 シニアアナリスト)
1983年にエルコインターナショナル(現:京セラエルコ)に入社。1990年に英国バーミンガム大学にてMBAを取得。1991年よりUBS証券、JPモルガン証券の株式調査部で産業エレクトロニクス、民生エレクトロニクス、半導体・電子部品等の業界・企業分析に携わってきた。大型株に加え、アナリストカバレッジの少ない中小型の調査にも注力。公益社団法人日本証券アナリスト協会認定アナリスト。2008年から2012年Institutional Investor誌アナリストランキング、日経ヴェリタスでも常に上位にランクイン。2018年4月より現職。
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