2022年は年初から年央にかけて金利環境の変化などから大型群と中小型群ともに株価の調整が進みました。一方、2022年の後半について、大型群では既存顧客におけるクラウド移行案件などDX需要の高まりを受け業績は順調に推移し、株価は大きく上昇しなかったものの底堅い推移となりました。中小型群ではコロナ禍において株価が乱高下した一方、日本国内でのクラウド・テレワークの普及期待や時代の変化に合わせた事業展開等への中長期的な期待は依然として高く、足元では徐々に出来高を伴い上昇する銘柄も散見され始めました。結果として、大型群・中小型群ともに底固めの1年になったと認識しており、特に中小型群については今後に一定の期待感を抱かせるような状況になりつつあると感じます。

IT・サービス投資と利益のバランスが重視されよう
2022年の振り返りなど
2023年の展望など
2023年は、大型群では顧客ニーズの変化に対応できる企業、中小型群ではシンプルに黒字ベースで業績の伸び率が継続的に高い企業に注目しています。大型群について、顧客のIT投資の目的がコスト削減から事業成長を図るためのDX需要にシフトしている中、ITベンダーには顧客のDX戦略を立案するコンサルティング能力とその構想を実装するためのSI能力が求められており、「コンサル+SI」モデルを有する企業は選好されやすいと考えます。中小型群について、コロナ禍以降、成長投資であれば費用が増加しても問題ないなど様々な見解が市場で生まれてきましたが、2022年末頃からは黒字で業績の伸び率が継続的に高い会社を筆頭に株価が好転し始めています。この変化は重要であると考えており、2023年は奇をてらわず優良企業を探すことが懸命だと思います。
2023年の注目のテーマ、キーワードなど
「投資」と「利益」に注目しています。コロナ禍以降「DX」が頻繁に叫ばれ、また同時に「成長投資」「先行投資」という言葉がやや安直に飛び交い始めたと感じています。企業成熟度の違いに起因する差はあれど、「将来のための投資」は殆ど全ての企業が常に行っています。しかし、一定の赤字を出し続ける企業、損益分岐点付近の利益水準を維持する企業もあれば、毎年増益を維持する企業もあります。2020年から2022年にかけての相場や足元の国際経済情勢を鑑みれば、「投資」の一言のみで赤字や過度な減益が許容される相場はしばらく来ないと思われます。投資自体を非難するつもりはありませんが、投資と利益に関する会社の方針は常に詳細に把握すべきだと考えます。

畑田 真
SBI証券 企業調査部(ビジネスソリューション担当 アナリスト)
国立名古屋工業大学を卒業後、2013年に東海東京証券に入社。
地方支店や基幹支店における個人営業、投資銀行部門における株式引受業務や債券引受業務を経験後、2015年10月より東海東京調査センターに出向しアナリスト業務に携わる。
半年間のアシスタント経験を経て、2016年4月よりビジネスソリューションセクターを新規に立ち上げ担当。2018年日経ヴェリタスでは初登場13位にランクイン。2018年11月より現職。
準大手証券でのセルサイドアナリスト経験を生かし、主力銘柄のみならず、アナリストカバレッジが少なく且つエッジの効いた中小型銘柄を発掘する事に注力。

津村 知生
SBI証券 企業調査部(ビジネスソリューション担当 アナリスト)
2017年4月に東海東京証券に入社、新卒から一貫してアナリスト業務に従事。
2018年11月よりビジネスソリューションセクターの担当を開始、
2019年の日経アナリストランキングでは初登場ランクイン。
2021年5月にSBI証券に入社。
準大手証券でのセルサイドアナリスト経験を生かし、
システムインテグレーター(SIer)を中心とする主力銘柄のカバーに加え、
アナリストカバレッジが少ない中小型銘柄の調査にも注力。
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