2022年の株価動向は、TOPIX機械がTOPIXに対して2年連続で負け越した。もっとも、内訳は強弱混在で、グロース銘柄のオートメーション関連が下落した半面、バリュー銘柄のFAANG2.0(Fuels・Aerospace&defence・Agriculture・Nuclear&renewables・Gold&metals/minerals)関連が続伸した。地域動向は、相対的に日本と北米、アセアンが好調、中国と欧州が不調であった。業種動向は、電気自動車・リチウム電池関連が増勢、半導体関連が調整局面を迎えた。業績動向は、円安を追い風に過去最高業績の2023/3期会社計画もあるが、上海ロックダウンに引続き、年後半からコストアップが時間差で効いて重石となっている。

機械2023年は冬から春へ―年前半は弱気、年後半は強気モード
2022年:対TOPIXで負け越したが、FAANG2.0関連は続伸
2023年:減収減益の業績見通し。年前半は冬、年後半は春へ
2023年の業績動向は、主要国の景気後退入りにより製造業の生産・設備投資活動も抑制されると見込まれ、機械銘柄は総じて前期比で減収減益と見通される。ただ、設備投資動向は、日本企業の工作機械受注高を基準とした設備投資循環(サイクル)から見ると、今回は2022年3月をピークに直近まで3四半期余り調整が済んでいる。通常の下降サイクル(18ヵ月前後)から類推すると、23年は新たな天変地異(紛争等)が起きなければ、2023年4~6月か7~9月にこの受注高が底入れすると見込まれる。つまり、2023年の前半戦は企業業績・株価の”冬”が続くものの、後半戦は”春”を迎え、機械業界に対して弱気から強気へ切り替わる局面が到来しよう。
注目トピック:受注残高、米国リ・ショアリング、オートメーション投資など
受注残高は、2022年は製造業で供給制約が継続したこともあり、2022年9月末(上期決算)時点で過去最高水準の受注残高を抱える機械銘柄が少なくなかった。2023年はこの豊富な受注残高を、景気後退に伴う取消し・繰延べ影響を受けずに速やかに売上計上できるかが一つの焦点となろう。米国リ・ショアリング(製造業回帰)は、米中覇権争いを背景にハイテク業界で進行しており、2023年は景気後退下でも政府補助金等を追い風に設備投資活動が継続しよう。オートメーション投資は、海外諸国での人件費上昇を背景に高需要が続くと見込まれ、中国や欧州を含めた各国・地域で底堅く推移しよう。

野口 昌泰
SBI証券 企業調査部(機械業界担当 シニアアナリスト)
2001年に松下電器産業(現パナソニック)に入社し、デバイス部門で経理業務に従事。2007年に野村證券に入社し、株式アナリストとして中小型セクター(カー・バッテリー、厨房機器、中古車流通、機械商社など)や機械セクターをカバレッジ。コンサルティング会社で戦略コンサルタントを経て、2022年1月より現職。機械セクターに於いて、日経ヴェリタスのアナリストランキングは2017年が6位、トムソン・ロイターのアナリスト・アワード・ジャパンは銘柄選定部門で2018年が3位、Institutional Investor誌アナリストランキングは2020年がランナーアップ。
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