2022年中小型株市場を振り返ると、2月のウクライナ侵攻をきっかけにマクロ環境の悪化懸念が強まり、株価の大きな調整局面が到来、年間で高パフォーマンスを得ることが困難な年となったように思える。2022年初めごろの中小型株のパフォーマンスは非常に良く、過去最高値を更新する銘柄も多かった。一方、2月頃から米国好景気で金利上昇懸念が強まるなか、米国株式市場の乱高下から日本株にも徐々に影響が出始めていた。それがウクライナ侵攻で一気にマクロ経済(金利高、インフレ圧力、物価高による景気低迷懸念)不安から、一部のディフェンシブ関連企業を除き株式市場の勢いは冷え込んだ。ただ、多くの企業が中間決算を公表した10月以降は、株式市場も落ち着きを取り戻してきたように感じる。すなわち、マクロ環境の悪化はあるものの、アフターコロナ時代の到来や、マクロ環境の悪化を乗り越える企業はどこなのかを模索し始めたようだ。

中・小型株ニッチだが新たなビジネスチャンスを活かして収益力をあげる企業を狙う
2022年を振り返って:パフォーマンスを上げにくい相場環境
2023年のセクター展望:銘柄選別&チェックをこまめにしよう
2023年はアフターコロナ時代の到来を徐々に織り込みつつ、厳しいマクロ環境のなかで成長の芽を持つ企業を選別しながら、中小型株式市場は徐々に回復する年となろう。年前半はいまだ不透明感が強いと考える。その理由は、4月5月頃に発表になる上場企業の2024/3期業績予想が減益予想となると考えるからである。円安による輸入コスト上昇に加え、賃上げ圧力もあり、新年度の業績予想は弱いものとなろう。ただ、年後半になると世界の人々の往来も増え、自然と消費も増えると考えられ、徐々に明るい見通しが出てくると考える。よって、株式市場にもプラス効果となろう。
2023年のキーワードなど
2023年のキーワードは、「SDGS」「健康・介護」「半導体微細化」「5G&6G」「電気自動車」「自動運転」「非接触」「水素」「脱炭素」「ウエアラブル端末」「データセンター」「インバウンド」「インボイス制度」「子ども・子育て支援」などが考えられる。マクロ環境の不透明な2023年であるが、アフターコロナ時代の到来に備えつつ、新たなビジネスチャンスを活かし収益化していく企業に新たなスポットライトがあたる2023年と考える。

森本 展正
SBI証券 企業調査部(中・小型株担当 シニアアナリスト)
1985年に和光証券(現みずほ証券)入社、86年和光経済研究所に出向、日本興業銀行、和光証券アメリカ出向。
96年より情報サービス、ゲーム等の企業調査を開始し、東京三菱証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、クレディ・スイス証券で情報サービス・セクターのアナリスト業務に従事し、みずほ証券ではIPO・中小型株を担当。
日経アナリストランキングで上位の評価を得る(2006年情報サービス・ゲーム部門1位)。
2020年にSBI証券入社。

氏原 義裕
SBI証券 企業調査部(中・小型株担当 シニアアナリスト)
1982年に新日本証券(現みずほ証券)入社。1985年から1991年まで香港、その後1994年まで日本興業銀行(現みずほ銀行)シンガポール証券現法に出向し機関投資家営業。2000年から2003年まで新規公開企業(IPO)を中心にアナリスト業務を開始。2003年から現在まで幅広く中小型銘柄の調査・発掘を行っている。日経ヴェリタスアナリストランキングは、2007年、2010年と1位、直近2020年は8位。Institutional Investors誌アナリストランキングはOTC&Small Cap部門で2016年2位。Starmine Household Durablesの企業分析部門で2015年1位。2020年4月より現職。
2023年セクター別予想
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