2022年は、長年続いてきたデフレが終焉しインフレに転換するターニングポイントになる年となった。円安・原材料高に、電力料金の高騰などコストプッシュが続き、小売各社もコスト増に耐え切れず値上げラッシュが起こった。生活防衛意識が高まる中で、PB商品などで価格を凍結した商品の販売が好調に推移した。また、新型コロナウイルス感染症拡大による行動制限・外出自粛など解除される中で、外出機会が増加、百貨店・外食などの売上が回復した。一方で、食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどでは、コロナ特需の反動減もみられた。10月11日の水際対策の緩和からインバウンドが急増、百貨店中心に免税売上高も急回復に向かっている。

小売・レジャー変化する消費動向、ポストコロナ時代への適応力が問われる
2022年の振り返り~長年続いたデフレからインフレに転換、値上げラッシュの年に
2023年の展望~二極化がより鮮明になる一年に
インバウンドの復活と、国内富裕層の活発な消費の両輪で、百貨店を中心とした高額消費の好調が続くと予想する。インバウンドも、まずは富裕層から戻ってくることが想定される。また、国内富裕層についても、円安に加えて、インフレ格差、航空運賃や燃油サーチャージの高騰などから、海外旅行需要の回復は鈍く、国内の高額消費に回る可能性が高いとみている。一方、値上げラッシュなどから、節約志向が強まり、ディスカウントストアのニーズが高まるとみている。買い回りではなく、ワンストップでのショッピングのニーズが高まり、コストを極限まで削ったシンプルなディスカウンターが選好されよう。二極化がより鮮明となる一年となろう。
タイムパフォーマンスの浸透
「コスパ」よりも「タイパ」とか、「倍速消費」などの言葉が生まれ、タイパ(タイムパフォーマンス)がより重視される社会へと変化してきている。食品や日用品でも時短商品が人気を集めている。食品の場合なら、素材よりも、加工度が高く、直ぐに食べられるものが選好され、日用品も時短に繋がるものがヒット商品となっている。コロナ前は時間消費型の商業施設が人気を集めたが、タイパの浸透により、ワンストップ・ショートタイムショッピングができる商業施設が選ばれるという変化が起きよう。ECやフードデリバリーも、より速く配達してくれることを重視する消費者が増えよう。2023年はタイムパフォーマンスが日常生活に定着、浸透する一年となろう。

田中 俊
SBI証券 企業調査部(小売、外食、旅行、ホテル業界担当 シニアアナリスト)
1988年に山種証券(現SMBC日興証券)入社、支店営業、投資情報部などを経て、山種調査センター(現SMBC日興証券)に出向。
以来、約20年に亘り、小売、レジャー・アミューズメント業界のアナリストとして、業界・企業分析に携わる。2016年12月より現職。トムソン・ロイター アナリスト・アワード・ジャパン2016にて、収益予想部門 ホテル・レストラン&レジャーで業種別1位。主力銘柄のカバーをしつつ、機動力を生かして、アナリストカバレッジの少ない地方銘柄、中小型銘柄の発掘にも注力。
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