2025年1月に日本銀行は政策金利を0.25%から0.5%に引き上げた。このことによって、国内の預貸利ざやは拡大した。銀行株は4月のトランプ関税の影響で大きく下がったものの、国内貸出の増加の継続、低い与信費用、株主還元の強化もあり、株価は大きく回復した。11月末の銀行インデックスは494.1ポイントと2006年3月の484.1ポイントをようやく抜いた。MUFGの25年度の会社予想純利益は2.1兆円と初めて2兆円を超えた。同社は中長期的にROE12%を目指すとしている。3メガのPBRは安定して1倍を超える水準にある。
地銀セクターにおいては、群馬銀行と第四北越FGの統合、千葉銀行と千葉興業銀行の統合が発表された。りそなHD、横浜FG、しずおかFG、群馬銀行のPBRも1倍を超えている(12月5日現在)。
銀行銀行ラリーは5年目へ
2025年の振り返り
2026年の展望
2026年においても日本銀行の政策金利の引き上げ期待は、銀行株のドライバーとなるだろう。設備投資需要は強く、またLBOやMBOなどコーポレートアクションにより資金需要もあり、国内貸出の拡大も継続するであろう。預貸の利ざやの拡大も続く。低位の与信費用が続いているなか、これも急速に悪化する懸念は大きくないが、銀行はバランスシートに隠れているかもしれないリスクに注意を払っていくだろう。
金利上昇に伴う有価証券、特に円貨債券の評価損はネガティブな要素となる。一部の銀行は株式の売却益や本業利益で相殺することになるだろう。
金利のある世界が定着し、預金の価値が高まったことで、地銀には規模の拡大を目指す動きがある。これは2026年も続いていくであろう。
2026年の注目のキーワードはAIの活用、共同化
(AI)2025年9月に出された日銀の金融システムレポートによれば、生成AIを利用している、または試行中の金融機関は合わせて73.8%である。3メガはこの分野に数百億円単位での投資を計画しており、ユースケースも数多く出ている。また、AIのノウハウを持つ企業との提携も進んでいる。業務の効率化、コスト削減といった分野だけではなく、マーケティングコストやコールセンター業務など、顧客サービスの向上などにも取り入れられていくことであろう。
(共同化)2026年は、事務やシステムの共同化の議論が進むであろう。地銀10行を抱えるTSUBASAアライアンスではバックオフィスの共同化の検討を始めた。また、サイバーセキュリティ対応など非競争領域での共同化のニーズもある。人材やスキルの不足を補うために、共同化は重要な役割を果たすであろう。
鮫島 豊喜
SBI証券 経済企業調査部(銀行担当 シニアアナリスト)
1983年にシティバンク東京支店に入行。1995年にSanford C. Bernstein(現Alliance Bernstein)に入社しバイサイドアナリストとしてスタート。2000年以降はセルサイドアナリストとして、日興ソロモン・スミス・バーニー(現シティグループ証券)、モルガン・スタンレー(現モルガン・スタンレー・MUFG証券)、ゴールドマン・サックスに勤務。その後BNPパリバ証券を経て、2018年3月にSBI証券に入社。アナリストとして、20年以上一貫して日本の銀行業界を担当し、邦銀を株式の立場から見てきた。マクロに連動する業界ではあるが各社のファンダメンタルズ分析も重視したリサーチを行う。米国コロンビア大学ビジネススクール卒業(M.B.A.)。
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