住宅・不動産賃料・価格はインフレ分転嫁へ、インバウンド需要は踊り場局面

建築費高騰などインフレ続く、オフィス賃料を本格引き上げ、住宅は割安な建売・中古へシフト

建設労働者不足等による建築費高騰・開発見送りに加え、出社回帰・採用強化による需要増加によりオフィス市場は好調、三井不動産(8801)の八重洲新ビルでは既存賃料の2倍水準となる坪賃料10万円を視野に入れている。一方、新築マンション価格は、ペアローンによる減税上積み、50年返済への延長を考慮しても、買いにくい水準に達しており、価格競争力のあるオープンハウスグループ(3288)の建売、東急不動産HD(3289)仲介部門の中古マンション等に需要シフトが続くと考える。

不動産売買市場は円安・地政学リスクで対日投資が活発、REITの株価回復も下支え

不動産売買市場は堅調に推移、買手側は地政学リスク回避の国際分散ニーズ、円安効果による海外投資家の需要、売主側は企業のROE向上対応で、自動車・ビール会社など売却が活発。国内買手のうち、J-REITは金利上昇により株価が軟調であったが、賃料上昇等により株価が回復、増資による物件取得余力が高まっており、大手不動産などスポンサー企業にとっては売却益獲得を期待。売買対象はREIT市場が先行する米国同様、データセンターなど成長用途に広がっていこう。

インバウンドは中国渡航自粛影響を注視、円安に加え、空港拡張・地方誘客が下支え

訪日旅客数は、2030年政府目標6,000万人に向けて概ね拡大基調にあるが、日本空港ビルデング(9706)の羽田空港免税、百貨店免税など減速、春節休暇など中国渡航自粛による影響を注視。ホテル需要は免税売上に比べて堅調であるが、建築費高騰による開発コスト増加を懸念、ティーケーピー(3479)の既存ホテルのリブランドなど投資抑制に注目。訪日旅客受入拡大に向けた成田空港の発着枠拡大(29年に1.7倍)、共立メンテナンス(9616)による地方展開強化に注目。

小澤 公樹

小澤 公樹
SBI証券 経済企業調査部(不動産・住宅、J-REIT担当 Inbound tourismチーム長 シニアアナリスト)

1987年に三洋証券に入社、1993年から不動産・運輸業界担当のアナリスト業務を開始。1998年に新日本証券(現みずほ証券)、1999年に国際証券(現三菱UFJモルガンスタンレー証券)に入社。2020年6月にSBI証券に入社。 主力企業に加え、不動産テックやインバウンド関連、EC物流など成長企業の調査に注力。最高順位は日経アナリストランキングで不動産・住宅で3位(2014年)。

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