2025年の日本の金融市場は、日本銀行が1月に政策金利を0.25%から0.5%へ、また、12月にはさらに0.75%へと引き上げたことで、長期金利上昇が進行した年でしたが、金融セクターは全体として堅調に推移しました。
株式市場は、「巳年は笑う」の格言通り、年初から株価が上昇しました。生命保険会社では、金利上昇に伴い、債券の売却損が計上されましたが、株式の売却益で損失を相殺し、資産運用収益は底堅さを維持しました。損害保険会社は、株式売却益が利益を支えたほか、自然災害の発生が相対的に低位にとどまったことで、収支環境は良好でした。証券会社は株高と個人投資家の取引活発化を背景に業績が好調に推移しました。金融サービス各社では、資金原価の上昇が見られたものの、資産や事業の拡大で吸収し、金利上昇局面でも安定した収益構造を維持しました。
保険・証券・金融サービス堅調な環境の継続に期待も、リスク要因には留意
2025年:金融セクターにとって、総じて堅調な1年であった
2026年:金利は「経済の体温計」、好循環に期待
金融セクターでは、2026年も、日本銀行の政策金利の動向に注目が集まりそうです。金利は「経済の体温計」と言われることがあります。伝統的には、先行きの景気が良くなりそうなら金利が上がり、景気が悪くなりそうなら金利が下がる傾向があるからです。景気が良くなる→物価が上がる→賃金が上がる→金利が上がるという、好循環が実現するのであれば、日本経済にとって、総じて良いと考えられます。保険会社や証券会社にとっても、資産運用利回りの上昇や、今までよりも魅力的な金利水準の商品提供など、金利上昇はポジティブな面があります。株式市場にとっても、好景気は株価を支える要因になるでしょう。2026年は金利上昇による好循環が実現するかに注目したいです。
2026年:リスク要因にも留意
2026年の干支は、「午(うま)」です。午年の相場格言は、「午尻下がり(年の前半は上昇しても、後半にかけて相場が下がりやすい)」と言われています。36年前の午年である1990年はバブルが崩壊した象徴的な年でした。また、金利上昇によるネガティブ面には留意が必要です。例えば、金利が急上昇すれば、住宅ローンや企業の負債などの借入金利が上昇し、返済の負担が増加する可能性があります。一段の金利上昇による倒産件数の増加にも注意が必要です。金利上昇以外にも、地政学リスクや国内外の不透明要因などにも留意したいものです。
大塚 亘
SBI証券 経済企業調査部(保険・証券・金融サービス担当 シニアアナリスト)
1998年に野村證券に入社、支店営業を経て、2008年に野村證券エクイティ・リサーチ部に社内異動。2018年にJPモルガン証券の株式調査部に入社。2023年6月からSBI証券の企業調査部にて現職。セルサイドアナリストとして、金融セクター(保険・証券・金融サービス)の調査経験は15年に及ぶ。Institutional Investor誌や、日経ヴェリタスランキングでは常に上位にランクインしている。
マクロトップダウンのみではなく、ミクロボトムアップ分析による幅広い企業調査と銘柄発掘に強みを有する。
ご注意事項
- ・SBI証券の取扱商品は、商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引、商品先物取引、外国為替保証金取引、取引所CFD(くりっく株365)、店頭CFD取引(SBI CFD)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。
各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等およびリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI 証券WEB サイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示または契約締結前交付書面等をご確認ください。
金融商品取引法等に係る表示 - ・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。本資料は、信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成したものですが、正確性、完全性を保証するものではありません。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報提供者は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
重要な開示事項(利益相反関係等)について - ※掲載しているコンテンツ内でご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません
