為替米中間選挙と日銀利上げ、2026年の為替市場はどう動く?

トランプ関税・日米金融政策・財政問題に翻弄された2025年

ドル円は1月10日に158円87銭まで上昇し、年初来高値を記録。その後、トランプ政権発足に伴う相互関税導入への警戒から景気減速懸念が強まり、4月22日には139円89銭まで下落しました。ただ、2024年9月安値を前に下げ止まり、関税交渉による関税率引き下げや、石破政権に代わり高市政権が誕生したことから財政拡大観測を背景に再び円安方向へ転換しました。こうした中、米国では政府機関閉鎖により経済指標の発表が遅れたものの、9月雇用統計が予想外の堅調となり157円89銭へ上昇。その後、次期FRB議長人事を背景にした利下げ観測から154円台前半へ下落しました。しかし、12月の日銀による0.25%利上げ決定も追加利上げに慎重な姿勢が示され、円安が再燃。年初来高値更新には至らないものの、年末にかけ再び上値を試す可能性を残して年末年始を迎えることになります。

日米金融政策の行方と米中間選挙に向けたトランプ政権の次の一手

年明け以降の通常国会では、一般会計歳出が120兆円を超える見通しの2026年度当初予算案審議が本格化し、財政悪化への懸念が円安圧力となりそうです。4月以降は日銀の次の利上げ時期を巡る思惑が再燃する一方、5月のパウエルFRB議長任期満了を控え、トランプ大統領の意向を反映した後任人事により、FRBは6月までに複数回の利下げ観測が浮上する可能性があります。また、11月3日の米中間選挙を前に、共和党が上下両院で多数派を維持できるかが焦点となります。関税政策の見直しやウクライナ和平、中国との関係改善を一段と進めるのか、政権運営は市場心理を左右する重要な要素となります。そのため、民主党の下院過半数奪還、政策停滞リスク回避に向けた年明け以降のトランプ政権の一手が注目されます。

ドルの信認低下は一段と加速か?

2025年1月に発足した第2次トランプ政権は、高関税政策や政府支出削減、同盟国への防衛負担増要求など内向き姿勢を強め、自由貿易体制の後退と同盟国への圧力強化がドルの「政治的リスク」を意識させています。実際、新興国を中心に外貨準備に占めるドル比率は低下し、安全資産として金を選好する動きが加速。NY金先物は12月17日に終値ベースで史上最高値を更新し、年初来で60%超上昇しました。今後、中間選挙を意識した強硬策の継続や、ウクライナ和平を巡るロシア寄りの姿勢がより鮮明となれば、市場の警戒感が高まり、ドルの信認低下が構造的に進む可能性には注意が必要です。

SBIリクイディティ・マーケット株式会社 中村 陽二

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