自動車部品更なる再編進行、非連続な新技術の台頭にも注目

2025年の株価パフォーマンスは、トヨタ系、再編関連などが堅調

2025年の自動車部品株のパフォーマンスはTOPIX並みにとどまりそうである。前半は米国関税影響の不透明感が重石となったが、回収確度が高まってからは盛り返した。ただし、銘柄間格差は2024年より拡大している。サブセクター間では、アフターパーツ中心のタイヤのパフォーマンスが堅調。系列間では、車両生産が堅調なトヨタ系に好パフォーマンスな企業が多い一方、四輪車生産が弱含みの日産系、ホンダ系の低調が目立つ。TBO・MBOなど資本関係に大きな変化があった企業、事業譲受を発表した企業など再編関連銘柄、大幅増配など株主還元を強化した企業のパフォーマンスも堅調なケースが多かった。非自動車事業のウェイトの高い企業の株価は強弱まちまちな推移となっている。

2026年も外部環境は楽観視出来ず差別化要因を有する企業に注目

2026年は楽観視できない前提が無難であろう。関税影響の余波、円安の持続性など外部環境は予断を許さない状況である。一方、主要銘柄を中心に新たな中期計画を発表する企業が多い点には注目。自動車部品では、系列外拡販の更なる進展、インド事業強化、事業ポートフォリオ入れ替え、戦略的M&A、株主還元強化など企業価値を向上させようとする機運が一段高まっている。タイヤは原油価格の低位継続の可能性は安心材料だが、意欲的な値上げの反動、低価格な新興国メーカーの存在感向上に留意したい。ゲームチェンジャーとなり得る新製品の拡販、参入障壁の高い特殊タイヤへのリソーセスシフトなどに積極的な企業に注目したい。

注目のテーマはSDV化、BEVの動静だけでなく、DWPT、IWMの開発動向

技術面では、SDV・電動化・自動運転の進展により新技術が台頭し、サプライチェーンも大きく変容しつつある。パワー半導体では次世代素材(シリコンカーバイド(SiC)、窒化ガリウム(GaN)など)の単体開発に加え、モジュール化の成否が鍵を握る。この新素材採用を背景にパワートレインも変貌を遂げつつある。全固体電池によるバッテリーの進化に加え、走行中ワイヤレス給電(DWPT)やインホイールモーター(IWM)など、供給網を再編しかねない技術開発も進行中である。こうした中で、技術寄与の大きい関連企業群に注目し始めたい。

岩井 徹

岩井 徹
SBI証券 経済企業調査部(自動車部品、タイヤ担当 シニアアナリスト)

1997年新日本証券(現みずほ証券)入社、リテール営業を経て、1999年より電子部品担当として証券アナリストに従事。以来、クレディ・リヨネ、クレディ・スイス、三菱UFJモルガン・スタンレーなどの証券会社にて業界・企業分析に携わる。うち自動車部品・タイヤ業界は24年間にわたり担当。2024年9月より現職。アナリストランキングでは常に上位の評価を得る (日経ヴェリタス自動車部品部門2021年、2022年3位)。趣味はサーキット走行であり、公私にわたりクルマ三昧な生活を送っている。

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