化学・合繊注目テーマは、「AI半導体」・「環境・脱炭素」・「構造転換」

2025年の化学・合繊業界を振り返る

2025年の化学業界は、AI(人工知能)向け半導体関連が好調に推移したほか、医薬品関連の需要が堅調でした。一方、石油化学は、汎用品を中心とした中国の供給過剰による数量減や市況低下の影響を受けました。総合化学メーカーは、エレクトロニクスやライフサイエンス事業が牽引した企業の収益環境が堅調でした。半導体・電子材料メーカーは、日本メーカーのシェアが高い先端半導体向け材料出荷拡大の恩恵を受けました。合繊メーカーは、高機能繊維などの需要拡大はあったものの、樹脂や炭素繊維などは中国との競争激化の影響を受けました。

2026年の化学・合繊業界の展望

2026年の化学・合繊業界ですが、総合化学においては、中国の供給過剰による稼働率低下や競争激化およびGHG排出量削減の環境下、汎用石油化学事業でのエチレンプラント設備集約や不採算製品からの撤退など業界再編の動きが本格化する年になるとみています。電子材料については、AIサーバー向けなどの先端半導体技術のカギを握る後工程材料での開発加速および新製品需要拡大が期待されます。ライフサイエンスでは、世界で需要が急拡大している肥満症治療薬向け精製材料や、先行バイオ医薬品(新薬)の特許期間満了後に、開発された後続品であるバイオシミラーの需要拡大が期待されます。電子材料、ライフサイエンスともにグローバルニッチトップ製品を多く持つ中堅化学メーカーの収益環境は、相対的に堅調見通しです。

2026年の注目のテーマは、「AI半導体」・「環境・脱炭素」・「構造転換」

2026年の化学業界で注目されると考えるテーマとしては、「AI半導体」「環境・脱炭素」「構造転換」が挙げられます。AI需要拡大が続くなか、多くの先端半導体材料で世界シェアトップを有する電子材料メーカーの存在感が高まると予想しています。2050年のカーボンニュートラルに向けた取り組みが全世界で進むなか、再生可能エネルギー、水素、蓄電池などの技術開発が素材メーカーにとってビジネスチャンスとみています。また、化学メーカーはコモディティからスペシャリティへの構造転換をいかに進めることができるかが中期成長のカギと考えます。

澤砥 正美

澤砥 正美
SBI証券 経済企業調査部(化学・繊維、ガラス・紙パ・その他素材、電力・ガス・石油担当 Material & International Tradeチーム長 シニアアナリスト)

1984年にサンダーバード国際経営大学院卒業後、米国化学大手の日本法人であるデュポン・ジャパンにて、日本の化学大手との合弁事業の設立・運営などに従事。1990年からは化学業界のアナリストに転じ、クレディ・スイスなどの外資系投資銀行にて活躍。30年間にわたり化学・合繊業界調査および企業分析に携わる。日経アナリストランキングやInstitutional Investorsランキングでは、常に上位の評価を得る(2007年日経アナリストランキング化学部門4位、Institutional Investorsランキング化学部門3位)。2017年6月より現職。アナリストカバレッジの少ない中小型銘柄の調査も担当。リチウムイオン電池材料、自動車軽量化素材、ライフサイエンス分野のリサーチにも注力している。

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