機械・造船・プラント機械・造船プラントセクター:2025年総括と26年ファンダメンタルズ展望

2025年振り返り:正常化と選別の進展

2025年の機械、造船・プラントセクターは、世界景気減速と金利高止まりのなかで「正常化」と「選別」が進んだ一年であった。インフラ投資とエネルギー安全保障ニーズを背景に、重電・プラントや舶用エンジン、ガスタービン関連の受注は底堅く推移した。一方、半導体製造装置や工作機械は在庫調整と設備投資の一服で変動が大きかった。コスト高は価格転嫁とミックス改善で吸収され、採算は全体として改善基調を維持した。東証機械株では、構造成長銘柄と循環敏感銘柄の格差が拡大し、受注残と価格決定力、資本効率が評価軸として定着しつつある。防衛と脱炭素、デジタル化の長期テーマを軸に、新たな投資ストーリーが芽生えた年であったと言える。

2026年展望:需給と利益成長シナリオの展望

2026年の機械、造船・プラントセクターのファンダメンタルズは、「再加速なき拡張局面」とみる。世界経済は潜在成長率並みの鈍い成長にとどまるが、脱炭素とエネルギー安全保障、防衛安全保障投資、デジタルインフラ更新など政策主導の需要が大型案件を下支えする。造船・プラントではLNG、アンモニア、CCUS関連の案件が厚く、価格決定力と長期メンテナンス契約を通じたストック収益化が進展する。一方、工作機械や一般産機の回復は在庫調整一巡後も緩慢で、需要の質は“量”から“生産性向上投資”へシフトするとみる。自動化、省人化、予知保全など高付加価値ソリューションを提供する企業が、セクターの中期成長を牽引する年であるとみる。

2026年テーマ:安全保障と脱炭素とサービス化

2026年の機械、造船・プラントセクターを貫くテーマはある。第一に、防衛とエネルギー供給網、サイバーを含む広義の安全保障インフラの再構築であり、重電や造船、防衛機器メーカーに中長期の案件可視性をもたらす。第二に、脱炭素とエネルギー多様化の実装フェーズ入りである。LNGやアンモニア、メタネーション、CCUS(二酸化炭素の回収・有効利用・貯留)、洋上風力などのプロジェクトが実行段階に入り、EPC能力とリスクマネジメント力が差別化要因となる。第三に、生成AIデジタルツイン、遠隔監視を用いた予知保全、アウトカムベース契約(製品そのものではなく、達成すべき成果(アウトカム)に対して対価を支払う契約方式)など、機械を「売る」から稼働と成果を提供するサービス化の加速である。複数テーマで強みを持つ企業に注目が集まる年となる。

野口 昌泰

野口 昌泰
SBI証券 経済企業調査部(機械、造船・プラント担当 Automotive & Robot & Spaceチーム長 シニアアナリスト)

2001年に松下電器産業(現パナソニック)に入社し、デバイス部門で経理業務に従事。2007年に野村證券に入社し、株式アナリストとして中小型セクター(カー・バッテリー、厨房機器、中古車流通、機械商社など)や機械セクターをカバレッジ。コンサルティング会社で戦略コンサルタントを経て、2022年1月より現職。機械セクターに於いて、日経ヴェリタスのアナリストランキングは2017年が6位、トムソン・ロイターのアナリスト・アワード・ジャパンは銘柄選定部門で2018年が3位、Institutional Investor誌アナリストランキングは2020年がランナーアップ。

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