外国株式韓国株式市場、2026年も懸念より期待(KOSPI:4,500pt)

2025年の韓国株レビュー:AI投資サイクルと資本市場改革の始動

2025年の韓国株式市場は驚異的な上昇を示しました。グローバル株高を考慮しても、年初比+60%超という上昇率は目を引く水準です。政府の株式市場活性化策、そしてAIを中心とした投資サイクルが上昇を牽引した一方で、世界的な金融市場の強さがこれを下支えし、可能となった上昇です。

前年末から年初にかけては、韓国株市場は悲観ムードに覆われていました。韓国経済の低成長固定化への懸念、中国との競争下での韓国製造業の弱体化、国内政治の不確実性などが原因でした。しかし、2025年の韓国株はまったく異なる様相を呈しました。厳しい内外環境にもかかわらず、新政権による資本市場改革の意志とAI投資サイクルの恩恵が重なり、韓国市場のバリュー再評価(Value Re-rating)を促しました。

2024年から本格化した「バリューアップ政策」は、2025年には制度改正と企業行動の実質的な変化につながりました。上場企業による配当拡大、自社株買い・消却が開示資料や財務諸表で確認されるようになり、中長期的な株主還元政策を公表する企業も急増しました。

下期にはAIサイクルの継続が韓国株のさらなる上昇を導きました。これまで韓国はAIサイクルの恩恵が限定的でしたが、AI投資が半導体にポジティブな影響を与え、その流れが本格化しました。サムスン電子とSKハイニックスを中心とするメモリ半導体セクターは、AI競争によるデータセンター投資拡大とHBM(高帯域幅メモリ)需要の急増を追い風に、過去最高レベルの業績と株価を同時に達成しました。一方で、AIサーバー、電力インフラ、変圧器・電線などの電力機器セクターも引き続き強含みとなり、韓国株式市場に「グローバルAIバリューチェーン」が形成される様相を見せました。

注目すべき点は、上昇が一部セクターに限定されていなかったことです。造船、防衛、原子力など、いわゆる「グローバル・スタンダード」として定着した産業財・輸出関連株全般が堅調なモメンタムを維持し、韓国市場の構造的な強みが改めて評価されました。

2026年の韓国株展望:懸念より期待優勢、AI恩恵が本格化

2026年を前にしても、依然として懸念より期待が上回っています。短期的な急騰に伴う負担は避けられませんが、AI投資サイクルの強化と「コリア・ディスカウント」縮小の流れは2026年も継続すると見込まれます。現時点でのKOSPI目標は4,500ptとしていますが、企業の利益がさらに改善すれば、一段高も十分に期待できる状況です。

AI投資サイクル強化の背景には、グローバルな流動性改善があります。米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げサイクル、金融規制緩和(SLR、M&A)、政府によるOBBB法案などが流動性改善の要因として作用すると思われます。米国のみならず、欧州・中国をはじめとした主要国が拡張的な財政政策を展開していることも、プラス要因として作用すると思われます。

増加した流動性はAI投資資金として流入すると期待されます。AIバブル論は完全に根拠がないわけではありませんが、投資意欲が継続することが見込まれます。論点となっている過剰投資は、それだけAI投資意欲が強力であることを示しています。

流動性がAI投資へと流れ込むにつれ、関連バリューチェーン全体で恩恵が波及すると考えられます。そのなかで、韓国市場のレガシー半導体(サムスン電子、SKハイニックス)、電力機器(LSエレクトリック、HD現代エレクトリック)の上昇モメンタムは継続すると見込まれます。加えて、ESS(エネルギー貯蔵システム)、建設機械など、新たに恩恵を受ける可能性のあるダークホースにも注目です。

株式市場活性化政策の継続も、好材料を高めるポイントです。株主が法的に権利を主張できる環境が整い、政府は不動産中心の家計資産を株式市場へ誘導しようとしています。配当所得の分離課税、長期投資への税制優遇などが投資インセンティブになると期待されます。長期資金の流入は、韓国株式市場のディスカウント要因をさらに払拭する材料になると思われます。

急激なウォン安局面で韓国株に投資することは、為替差益も期待できます。現在のウォン安は偏りの大きい市場状況を反映したものであり、2026年には反転の可能性も考えられます。内需回復、輸出景気の強さ、韓国大企業による韓国国内投資拡大が成長率を押し上げる要因になり、相対的に弱かった景気モメンタムも徐々に改善していく見込みです。

2026年 韓国株 注目テーマおよびキーワード

最優先セクターとしては、半導体を中心としたITおよび電力機器を挙げ、次点セクターとして証券、防衛、造船を挙げます。

◆ 半導体大手、サムスン電子、SKハイニックス:
最近、メモリ半導体の在庫縮小と価格上昇の流れが加速しています。AI競争が過熱し、インフラ供給不足を資本の力で解決しようとする動きが強まるほど、半導体セクターのマージンと利益成長は最大化されると予想されます。

◆ 電力機器スーパーサイクルの継続:
超好況サイクルを維持したまま、本格的にAIバリューチェーンに組み込まれた電力機器セクターの上昇モメンタムの継続に注目しています。米国の超高圧送電市場の好況は始まってから約4年とまだ浅く、老朽設備更新率は30%未満であり、好況は長期化すると思われます。さらに、ガス・再生エネルギー・バッテリーを中心としたエネルギーCapaの増設と送配電網の拡充が長期間継続すると予想されます。

チェ・グァンヒョク

チェ・グァンヒョク
韓国LS証券 リサーチセンター センター長(経済・為替担当)(社団法人韓国アナリスト協会公認アナリスト)

アイオワ州立大学経済学部卒業、ソガン大学経済学修士。韓国ハンファ証券でスモールキャップと市場分析を担当。2012年以降LS証券でマクロ投資戦略、経済、為替分野を多角的に分析。FICCチーム長、投資戦略チーム長を経て2025年リサーチセンター長に就任。スモールキャップから戦略、イシュー分析まで、マクロとイシュー両面から資産別投資戦略を分析。

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