2025年の韓国株式市場は驚異的な上昇を示しました。グローバル株高を考慮しても、年初比+60%超という上昇率は目を引く水準です。政府の株式市場活性化策、そしてAIを中心とした投資サイクルが上昇を牽引した一方で、世界的な金融市場の強さがこれを下支えし、可能となった上昇です。
前年末から年初にかけては、韓国株市場は悲観ムードに覆われていました。韓国経済の低成長固定化への懸念、中国との競争下での韓国製造業の弱体化、国内政治の不確実性などが原因でした。しかし、2025年の韓国株はまったく異なる様相を呈しました。厳しい内外環境にもかかわらず、新政権による資本市場改革の意志とAI投資サイクルの恩恵が重なり、韓国市場のバリュー再評価(Value Re-rating)を促しました。
2024年から本格化した「バリューアップ政策」は、2025年には制度改正と企業行動の実質的な変化につながりました。上場企業による配当拡大、自社株買い・消却が開示資料や財務諸表で確認されるようになり、中長期的な株主還元政策を公表する企業も急増しました。
下期にはAIサイクルの継続が韓国株のさらなる上昇を導きました。これまで韓国はAIサイクルの恩恵が限定的でしたが、AI投資が半導体にポジティブな影響を与え、その流れが本格化しました。サムスン電子とSKハイニックスを中心とするメモリ半導体セクターは、AI競争によるデータセンター投資拡大とHBM(高帯域幅メモリ)需要の急増を追い風に、過去最高レベルの業績と株価を同時に達成しました。一方で、AIサーバー、電力インフラ、変圧器・電線などの電力機器セクターも引き続き強含みとなり、韓国株式市場に「グローバルAIバリューチェーン」が形成される様相を見せました。
注目すべき点は、上昇が一部セクターに限定されていなかったことです。造船、防衛、原子力など、いわゆる「グローバル・スタンダード」として定着した産業財・輸出関連株全般が堅調なモメンタムを維持し、韓国市場の構造的な強みが改めて評価されました。
