CFD2025年相場の注目点

2024年の振り返り「2024年は二極化の年」

2024年の前半、インフレを退治した世界の株式市場は大きく上昇しました。しかし、後半は地域によって二極化が顕著にあらわれました。米国やインド市場が成長を続けた一方で、中国やヨーロッパ市場は政策リスクや経済成長の停滞により苦戦しました。特に、中国市場の低迷はグローバル投資家のリスク回避行動を加速させました。また、米大統領選ではトランプ氏が返り咲き、「トリプルレッド」(大統領、上院、下院が共に共和党になること)となったことで政治の安定が期待され、トランプラリーによって株式市場が上昇しました。一方で、ヨーロッパや日本では政局の混乱懸念から株式市場は不安定な動きを見せました。
さらに、地域だけでなくセクターによっても二極化が顕著にあらわれました。生成AIや再生可能エネルギー、EV関連といった未来志向のテーマに資金が集中し、米国のナスダックや一部の新興市場が過去最高値を更新しました。特に、エヌビディアや大型テック企業は業績の好調さと市場の期待感から株価が飛躍的に上昇しました。一方で、エネルギーや銀行、消費財といった伝統的なセクターは、金利高や景気減速の懸念から低迷しました。
このような二極化は、投資家に「テーマ選別」と「地域選別」の重要性を再認識させました。2024年の後半は、流れに乗った投資家と乗り遅れた投資家の明暗が分かれる年だったと言えるでしょう。

2025年の展望「2025年は波乱の年!」

2025年のスタートはトランプラリーが継続し、FRBによる利下げも重なって米国の株式市場は史上最高値の更新が続くでしょう。また、2024年の後半に下落していた欧州株や膠着していた日本株は、割安感から上昇し、史上最高値を更新することが期待されます。しかし、その後の株式市場は、世界的に乱高下が予想される年となりそうです。主な要因は、トランプ氏が大統領に復帰したことによる政治の不透明感です。関税強化による貿易摩擦の懸念、減税によるインフレ懸念、政策の予測不能による懸念などが、世界の株式市場で一気に調整局面を迎える可能性があります。さらに、欧州や日本における政治的な不透明感も継続するでしょう。
また、生成AIなどの成長分野への楽観的な期待が続く一方で、これらのテーマ株は高バリュエーションに対する調整圧力を受けやすい状況になっています。さらに、地政学的リスクや規制強化、企業収益の不透明感などが原因で、株式市場は乱高下する動きになることが想定されます。
2025年は「柔軟な戦略」と「リスク管理」が鍵となる年ではないでしょうか。短期的な乱高下を冷静に乗り越える投資家が、その後の大きな上昇局面を掴むことができるでしょう。

2025の注目のテーマ、「2025年はトランプ政権の年!」

2025年はトランプ大統領が再びホワイトハウスに戻ってきます。世界経済と株式市場に大きな影響を与える年となるのは間違いありません。トランプ氏の「アメリカ・ファースト」政策の再開により、米国内ではインフラ投資やエネルギー産業の活性化が進む一方で、貿易政策の強硬姿勢が復活する可能性があります。特に、中国との関係悪化が懸念され、半導体やテクノロジー関連銘柄には緊張が高まるでしょう。
トランプ政権下では、減税や規制緩和が再び注目され、米国の株式市場は好調が予想されます。一方で、地政学的リスクの増大が市場のボラティリティを高め、特に新興国市場は影響を受けやすい状況に陥る可能性があります。
また、投資会社バークシャー・ハサウェイの会長である天才投資家のウォーレン・バフェット氏の動向も注目です。主要保有銘柄であるアップルやバンク・オブ・アメリカの株式の一部を売却し、さらに、バークシャーは直近の四半期において自社株買いを実施しませんでした。これは6年ぶりのことです。そして、現金および現金同等物は約3,250億ドル(約50兆円)に達し、過去最大となっています。現在の株式市場の価値は高すぎて買えないとでも言っているようです。
2025年は、トランプ政権の動向を敏感に察知し、柔軟に戦略を調整する力が投資家に求められる年となるでしょう。

小次郎講師

小次郎講師

(本名:手塚宏二) プロの投資家として常にマーケットと対峙し40年以上の投資キャリアを持つ傍ら、チャート分析の第一人者として、投資セミナー、書籍、YouTubeなどを通じて個人投資家向けの投資教育活動を精力的に展開している。これまでに対面で教えた受講生だけでも数千人を超え、門下生からは専業トレーダーを多数輩出するなど、投資界において圧倒的な人気を博している。 代表的な手法には「移動平均線大循環分析」「大循環MACD」「大循環ストキャス」などがある。

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【著書】
「数字オンチあやちゃんと学ぶ、稼げるチャート分析の授業」/総合法令出版
「めちゃくちゃ売れているマネー誌ZAIが作った商品先物取引入門 目からウロコのチャート分析編」/ダイヤモンド社
「真・トレーダーズバイブル」/パンローリング株式会社
「儲かる! 相場の教科書 移動平均線 究極の読み方・使い方」/日本実業出版社
「真・チャート分析大全」/パンローリング株式会社
「世界一わかりやすい投資の勝ち方」/総合法令出版
「大循環ストキャス 短期トレード入門 株投資で着実に儲け続ける!」/日本実業出版社
「真・チャート分析大全(王道のテクニカル&中間波動編)」/パンローリング株式会社

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