機械・プラント2025年は防衛・軍事+半導体+設備投資関連などの銘柄に注目

2024年回顧|機械株は対TOPIXで勝ち越しも、サブセクターで明暗

2024年の機械株(TOPIX機械)のパフォーマンスは、TOPIXを上回って終わりそうである。もっとも、内訳はサブセクターごとにまちまち。日本での防衛費増額や主要国での半導体国産化の潮流を受けて、レイトサイクルに分類される重工業大手やプラント系の半導体関連銘柄の株価が大きく上昇した。一方、これまでドル箱だった中国での製造業景気の停滞と現地企業との競争激化の懸念からアーリーサイクルに分類されるオートメーション銘柄は株価が振るわなかった。また、電気自動車や産業機械向け、中堅中小企業を中心とした企業の生産・設備投資活動の緩慢な回復を背景に、ミッドサイクルに分類されるシクリカル銘柄も一進一退の株価展開であった。

2025年展望|設備投資の本格回復や半導体スーパーサイクルが好材料

2025年の機械株のパフォーマンスを企業業績から考えると、悪材料として原材料や人件費の高止まり、中国経済停滞の継続、中東情勢問題、米国の追加関税と取引国の報復関税などが想定できる半面、好材料として企業の設備投資活動の本格回復や半導体スーパーサイクルの本格化などが想定できよう。中でも、日本企業の設備投資循環のベンチマークである日本工作機械工業会の受注高を見る限りは、2024年1月を大底に回復トレンドに入っており、過去の増加局面の期間(2~2.5年)と照らし合わせると、あと1~1.5年は回復が続くと見通される。地域別には、自動車の認証不正問題から戻る日本、トランプ新大統領が就任する米国、半導体生産のメッカであるアジアに注目する。

注目トピックス|防衛・軍事、半導体、BRICsプラス、追加関税、設備投資など

2025年の注目トピックスや投資アイディアは、①防衛・軍事:地政学リスクの高まりと防衛・軍事産業拡大の恩恵を取り込める、②半導体:製造装置や工場設備での高いシェアにより次の半導体スーパーサイクルを取り込める、③設備投資:国内外で本格回復が見込まれる製造業の設備投資循環を取り込める、④BRICsプラス:インドを含むBRICs(ブラジル/ロシア/インド/中国)に中東・アフリカ・南米諸国を加えたBRICsプラス(あるいはグローバルサウス)の経済成長を取り込める、⑤追加関税:トランプ新大統領の追加関税に柔軟に対処できる生産体制を構築している、⑥建設投資:海外諸国での金利低下と建設投資の回復を取り込める―日本企業が挙げられる。

野口 昌泰

野口 昌泰
SBI証券 企業調査部(機械、造船・プラント担当 シニアアナリスト)

2001年に松下電器産業(現パナソニック)に入社し、デバイス部門で経理業務に従事。2007年に野村證券に入社し、株式アナリストとして中小型セクター(カー・バッテリー、厨房機器、中古車流通、機械商社など)や機械セクターをカバレッジ。コンサルティング会社で戦略コンサルタントを経て、2022年1月より現職。機械セクターに於いて、日経ヴェリタスのアナリストランキングは2017年が6位、トムソン・ロイターのアナリスト・アワード・ジャパンは銘柄選定部門で2018年が3位、Institutional Investor誌アナリストランキングは2020年がランナーアップ。

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