中・小型株ニッチだが新たなビジネスチャンスを活かして収益力をあげる企業を狙う

夏場以降調整色を強めた2024年

JPX中小型株指数は、年初17,759.55でスタートし、7月に高値20,381.53を付けた後、8月に急落し、安値15,838.71をつけ、その後は徐々に回復し、12/6終値は19,886.62となった。12/6終値では年初来騰落率はプラス12%である。この指数の動きをみても、夏頃まで順調に右肩上がりで推移していた指数が、現状は調整色が強い。その理由は、大きくは二つであろう。一つは、トランプ新大統領の政策による経済への影響がよく見通せないこと。二つ目は、その影響が個別企業業績にどう影響するのか見通せないことである。

2025年のセクター展望:森を見ず、木を見よう

2025年は、前半はトランプ新政権による関税引き上げで、市場は調整色が強い展開を予想する。ただ、米国優先の政策とはいえ、時間の経過とともに過度な関税引き上げが、米国国民にとって有益でないと分かったものから、修正策が講じられるものが出てくることも考えられる。このような行動が具体化すれば、株式市場の不透明色は徐々に薄まり、強含みで推移することも考えられる。中小型株の投資戦略としては、森を見ず木を見る。すなわち、企業それぞれの成長力を吟味して、マクロ経済を気にしつつも、長期成長力のありそうな企業に投資する戦略を推奨する。

2025年の注目のテーマ、キーワード

2025年のキーワードは、「SDGs」「生成AI」「半導体微細化」「5G&6G」「電気自動車」「自動運転」「非接触」「水素」「脱炭素」「ウエアラブル端末」「データセンター」「インバウンド」「2025年問題」「子ども・子育て支援」「年収の壁(103万円の壁および106万円の壁撤廃)」「大阪・関西万博」「沖縄ジャングリア」などが考えられる。マクロ環境の不透明な2025年であるが、トランプ新政権による関税問題などで更なるディカップリング化へ傾きつつある世界経済動向に注意をはらいつつ、新たなビジネスチャンスを活かし収益化していく企業にスポットライトがあたる2025年と考える。

森本 展正

森本 展正
SBI証券 企業調査部(中・小型株担当 シニアアナリスト)

1985年に和光証券(現みずほ証券)入社、86年和光経済研究所に出向、日本興業銀行、和光証券アメリカ出向。96年より情報サービス、ゲーム等の企業調査を開始し、東京三菱証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、クレディ・スイス証券で情報サービス・セクターのアナリスト業務に従事し、その後みずほ証券ではIPO、中小型株を担当。
日経ヴェリタスアナリストランキングで上位の評価を得る(2006年情報サービス・ゲーム部門1位)。
2020年にSBI証券入社。

氏原 義裕

氏原 義裕
SBI証券 企業調査部(中・小型株、 電子部品、 精密機械・半導体製造装置担当 シニアアナリスト)

1982年に新日本証券(現みずほ証券)入社。1985年から1991年まで香港、その後1994年まで日本興業銀行(現みずほ銀行)シンガポール証券現法に出向し機関投資家営業。2000年から2003年まで新規公開企業(IPO)を中心にアナリスト業務を開始。2003年から現在まで幅広く中小型銘柄の調査・発掘を行っている。日経ヴェリタスアナリストランキングは、2007年、2010年と1位、直近2024年は7位。Institutional Investors誌アナリストランキングはOTC&Small Cap部門で2016年2位。Starmine Household Durablesの企業分析部門で2015年1位。2020年4月より現職。

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