2023年を振り返ってみると2つの大きな課題を乗り越えた年となりました。まずは、世界保健機関(WHO)が5月に新型コロナウィルスの「緊急事態宣言」終了を発表し、日本でもコロナを2類から5類に引き下げたことで、「コロナ克服の年」となりました。日本では円安効果の影響もありインバウンド需要が回復し、その経済効果はコロナ前を上回る見通しです。経済の回復から日経平均は33年ぶりの水準となり、史上最高値更新が視野に入ってきました。
また、米国ではインフレに苦戦していましたが、米連邦準備制度理事会(FRB)は、景気後退もやむを得ないという態度で政策金利を粛々と引き上げたことで、インフレを退治することに成功したと言っても良い状況となりました。景気は後退することなく、無事に軟着陸(ソフトランディング)し、NYダウはインフレを抑えながら史上最高値更新となりました。
明るい2023年だったと言いたいところですが懸念材料もあります。一つは戦争問題です。ウクライナとロシア、イスラエルとハマスの問題が解決しておらず、ひとつボタンを掛け違うと拡大していく可能性があります。もう一つは中国経済です。中国は不動産バブルの崩壊等により株式市場は右肩下がりの状態が続いています。今後が心配です。
とはいえ、2023年は日本株にとっては非常に明るい1年でした。日経平均は年初来から見れば現在約30%の上昇率で堅調な動きを見せた1年となっています。