IT・サービス投資家マインドの変化に注目したい

昨年の振り返りなど

2023年は金利環境の変化などから、大型群が好調な一方、中小型群は相当程度出遅れた格好となりました。大型群では、コロナ禍以降、DX投資を追い風とし、多くのIT企業の業績は増収増益が続いている状況です。セクター内ではバリュー優勢の動きが強く、業績やバリューション面で安定感がある大型群の株価は年初から順調であったと評価できます。一方、中小型群は近年の市場動向を踏まえ売上と利益のバランスを重視する企業が増加し、実際に業績で結果を出す企業も散見されましたが、マクロの影響力が遥かに強く、ファンダメンタルズと株価があまり連動しなかった印象です。

2024年の展望など

2024年は、大型群では営業利益成長率の格差拡大、中小型群では黒字ベースで業績の伸び率が継続的に相当程度高い企業に注目します。大型群では、DX投資を追い風に増収増益を継続しやすい一方で人材不足による人件費上昇も続くため、価格転嫁、生成AI活用、採用効率等による各企業の営業利益成長率の差は、今後拡大する可能性があると考えています。中小型群では、2022年末頃からは黒字で業績の伸び率が継続的に高い企業群の株価が好転し始めたものの、2023年年央以降はその中でもさらに伸び率が高い一部銘柄を除き、ほとんどがマクロの波に攫われました。よって、マクロ並びに投資家マインドの変化を待つ以外では、非連続且つ超高成長な成長タイミングを迎える企業を探す事が賢明と考えます。

2024年の注目のテーマ、キーワードなど

「投資家マインドの変化」に注目しています。多くの企業が「投資と利益のバランス」を重視しつつ継続的に成長してきたにも関わらず、コロナ禍以前の株価を下回る若しくは同等程度の会社があまりに多い印象です。そもそものバリュエーションが甘すぎた可能性も勿論ありますが、少なくとも昨今の市場の目線は、売上高も利益も、短期的な見通しも中長期的な見通しも、全てが完璧でなければ評価しないという位に厳しすぎると感じています。この異常ともいえる厳しさはおそらく長続きしないと思っているため、投資家マインドの変化には敏感に反応すべきと考えています。

畑田 真

畑田 真
SBI証券 企業調査部(ビジネスソリューション担当 アナリスト)

国立名古屋工業大学を卒業後、2013年に東海東京証券に入社。
地方支店や基幹支店における個人営業、投資銀行部門における株式引受業務や債券引受業務を経験後、2015年10月より東海東京調査センターに出向しアナリスト業務に携わる。
半年間のアシスタント経験を経て、2016年4月よりビジネスソリューションセクターを新規に立ち上げ担当。2018年日経ヴェリタスでは初登場13位にランクイン。2018年11月より現職。
準大手証券でのセルサイドアナリスト経験を生かし、主力銘柄のみならず、アナリストカバレッジが少なく且つエッジの効いた中小型銘柄を発掘する事に注力。

津村 知生

津村 知生
SBI証券 企業調査部(ビジネスソリューション担当 アナリスト)

2017年4月に東海東京証券に入社、新卒から一貫してアナリスト業務に従事。
2018年11月よりビジネスソリューションセクターの担当を開始、
2019年の日経アナリストランキングでは初登場ランクイン。
2021年5月にSBI証券に入社。
準大手証券でのセルサイドアナリスト経験を生かし、
システムインテグレーター(SIer)を中心とする主力銘柄のカバーに加え、
アナリストカバレッジが少ない中小型銘柄の調査にも注力。

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