国内株式2024年は半導体、AI、DXの他「2024年問題」に対応する銘柄にも注目

2023年は前半堅調・後半もみ合い

2023年の東京株式市場では、日経平均株価が7/3高値(終値ベース・33年ぶり高値水準)まで年初来で3割弱の上昇となりました。円安、堅調な企業業績に加え、東証のPBR1倍割れ企業等への対策要請、バフェット氏の商社株買い等が追い風になりました。しかし年後半は米インフレ・金利上昇に対する懸念もあり、もみ合い相場となりました。(12/11時点)

物色的には、年後半にかけての米金利低下や、半導体市況の底入れ等もあり、半導体関連の多くが物色されました。原材料価格の上昇一服で鉄鋼や電力なども買われました。反面、中国経済の不調が逆風になった企業の下げも目立ちました。

日経平均は「バブル後高値」を目指すが、リスク要因も

12/8時点で日経平均の予想EPSは2,231円で過去最高水準近辺。一方、予想PERは14.5倍弱ですが、本年はおおよそ12~16倍で推移してきました。来期、225採用銘柄で5%程度の増益が見込めれば、PER15倍で35,100円、16倍で37,400円程度が可能になります。増益率や市場心理があと少し上振れれば「バブル高値」回復も夢ではないでしょう。
東証の要請やバフェット氏の買いを契機に、グループ再編や資本政策改善を目指す企業改革も増えており、そのことが株価を押し上げる材料になりそうです。

ただ、予想される米金利の低下は米景気・企業業績の減速ないしは悪化を前提としており、逆業績的な色彩が強まると、米株安を通じ、日本株にも逆風が吹く可能性がありそうです。また、米金利低下に伴い円高が進み、それが物色方向に影響を与える可能性もありそうです。日銀が金利を正常化する過程では波乱が生じるリスクも残るでしょう。

半導体、AI、DX関連の他「2024年問題」に対応する銘柄に注目

金利低下や円高を全体に考えるならば、物色対象としてはグロース株が相対的に優位になりそうです。市況が回復傾向にある半導体や、AI(人工知能)関連、DX関連が注目されそうです。2023年は米金利上昇が長期化し、グロース市場には逆風が強まりましたが、2024年は米金利低下を味方に、堅調に推移すると期待されます。

反面、バリュー銘柄には逆風の環境ですが、新NISAを背景とした高配当利回り株、東証の要請を受けた低PBR株は物色されやすいので、それらは押し目買い候補になるでしょう。「2024年問題」があり、物流DX関連が有望と見ますが、それに対応する陸運各社は、原材料価格の低下が続けば物色されそうです。モーダルシフトを受け、海運(内航)、鉄道(株価水準に注意)にも注目したい。

鈴木 英之

鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長(日本証券アナリスト協会検定会員)

早稲田大学卒。旧日栄証券(現SBI証券)入社、リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。ウエルスアドバイザー株式会社(調査分析部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオNIKKEI(月曜日)、ストックボイス(木曜日)等でコメントを発信中。ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。

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