2023年の干支は「卯(うさぎ)」でした。相場の格言は「跳ねる」ですが、まさに金利・株価が「跳ねた」一年となりました。日経平均株価が1990年3月以来の33年ぶりの水準まで上昇するなど、2023年は証券各社の業績が、国内外の株式市場の活況を背景に好調に推移しました。また、新型コロナ5類移行による消費の活況が、クレジットカード、消費者金融などの金融サービス各社の業績にとって追い風となりました。コロナ保険金支払いの減少もあり、保険会社の業績と金利上昇影響の関連性が見えづらい1年でしたが、中長期的には金利上昇が保険会社業績にとって、ポジティブとなると考えられます。
保険・証券・金融サービス2024年は個人金融資産運用の元年となるか
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2023年:国内外で金利・株価が上昇
2024年:日本銀行の金融政策が変更の可能性
2024年は国内物価の上昇などを背景に、日本銀行の金融政策が変更となる可能性があります。従来の緩和的な政策から引き締めに転じ、国内金利が上昇することが想定されます。資金の借り手にとっては、支払金利負担が増加することになりますが、金融機関の業績にとっては、貸出金利回りや運用利回りの上昇など、ポジティブな面があります。2024年の干支は「辰(たつ)」、相場格言は「天井」と言われています。米国の金利上昇が「天井」となれば、為替の変動要因となる可能性もあります。金利・株価・為替といったマクロ経済指標は、保険・証券・金融サービス各社の業績変動要因として留意したいです。
2024年の注目のテーマ:新NISA制度がスタート
NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)は、14年1月にスタートした個人投資家のための税制優遇制度です。2024年1月から、NISAは抜本的拡充・恒久化が図られ、新しいNISAとなります。個人投資家の資産運用と資産形成のニーズは、年々、高まっていますが、新しいNISA制度は、これらのニーズの追い風となると考えられます。上記のように、国内金利水準が上昇に転じる可能性も考慮すれば、2024年は、個人投資家にとっての「資産運用元年」になるかもしれません。金融機関にとっても、新NISAによる顧客化は、長期のリレーションシップ構築の上でも重要で、2024年の大きなテーマと考えられます。
大塚 亘
シニアアナリスト
1998年に野村證券に入社、支店営業を経て、2008年に野村證券エクイティ・リサーチ部に社内異動。2018年にJPモルガン証券の株式調査部に入社。
2023年6月からSBI証券の企業調査部にて現職。セルサイドアナリストとして、金融セクター(保険・証券・金融サービス)の調査経験は15年に及ぶ。
Institutional Investor誌や、日経ヴェリタスランキングでは常に上位にランクインしている。
マクロトップダウンのみではなく、ミクロボトムアップ分析による幅広い企業調査と銘柄発掘に強みを有する。
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